〝鼻出しマスク〟で異なる見解 尾木ママは「同情の余地なし」茂木氏は試験官の対応に疑問呈す

茂木氏(左)と尾木氏

教育評論家の尾木直樹氏(74)が19日、ブログを更新し、逮捕された〝鼻出しマスク〟受験生に対し厳しい言葉で断罪した。

16日に行われた大学入学共通テストの第1日程で、マスクで鼻を覆うよう何度も注意されたのに従わなかった受験生が失格になった。東京での最初の試験だった地理歴史・公民で、特別な理由を申請していないのにもかかわらず、マスクから鼻が出ていた。係官が覆うように求めたが応じず、その後の試験中を含めて計6回注意を受けた。「次に注意を受けると失格になる」と伝えたが、7回目も従わなかった。

失格にされた受験生は、会場のトイレに立てこもったことから警察が出動。午後10時過ぎ、建造物不退去容疑で警視庁に現行犯逮捕された。これまで40代と報じられてきたが「49歳」だという。

騒動の当初から「試験妨害なら当然の対処」としてきた尾木氏は、ブログで「同情の余地など一ミリもない」「単なる妨害目的の49歳の変な大人に過ぎない」「トイレにこもって警察官に退去させられたり」「挙句の果てには夜10時に現行犯逮捕されるなんて」と受験生の非常識ぶりを列挙し「これは『受験生の姿した妨害大人』に過ぎないです」とバッサリ。同情論は検討違いだとして「妨害事件として告発すべきかも知れないレベルではないでしょうか?」と厳しい処置を求めた。

一方、「杓子定規のロボット試験監督による人権侵害だと私には思える」と大学入試センターの対応をツイッターで批判してきた脳科学者の茂木健一郎氏(58)は、自身のユーチューブチャンネルで騒動への見解を配信。「一貫して、49歳の男性の行為が良かったなんてひと言も言ってない」「はじめから擁護してきたつもりはない」と強調し、同受験生について「非典型的な個性(パーソナリティー)の人の行動様式」で「何歳だろうが関係ないんです」と分析した。

また今回の試験官の対応は「火に油を注ぐ行為」と持論を展開し、大学入試センターに対し「逮捕されたから終わりではなく、その人の言い分も含めて、今後どのような対策を講じるかが必要」と提言した。

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