木や土使い、独自の美 「きこり」自負・故倉橋さん作品展 小田原

空想上の動物やハスの花をイメージした木彫作品などが並ぶ故・倉橋元治さんの作品展=小田原市中里のギャラリーNEW新九郎

 林業を営む傍ら創作活動に励んだ現代芸術家の故・倉橋元治さんの作品展が24日まで、神奈川県小田原市中里のギャラリーNEW新九郎(ダイナシティウエスト4階)で開かれている。木や土など自然素材にこだわった独自の美を感じることができる。

 生前は自ら「日本で三本の指に入るきこり」を自負していたという倉橋さん。平塚市内で林業との二足のわらじで、20代から独学で木材を使った彫刻作品などを手掛けてきた。県美術展で準大賞受賞や海外で個展を開くなど活躍したが、2018年に70歳で亡くなった。

 一見すると猫のようで、顔が平らで羽や角が生えた架空の動物や、精密機械の基板部品が頭に付いた鳥、極楽浄土を思わせる美しいハスの花─。会場にはかわいらしくユニークな木彫作品を中心に約50点が並ぶ。

 作品展を企画した同ギャラリーの木下泰徳支配人は「林業を通じ木に宿る生命力など自然への畏敬の念もあったはず。倉橋さんのエネルギーにあふれた作品を自由に感じてほしい」と呼び掛けている。

 入場無料。午前10時から午後6時まで。問い合わせは同ギャラリー電話0465(20)5664。

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