第164回芥川賞(日本文学振興会主催)を受賞した大学2年生の宇佐見りん氏(21)が20日、都内で会見を行った。
宇佐見氏は、男性アイドルを推す女子高生を主人公にした小説「推し、燃ゆ」(文藝秋季号)で芥川賞を受賞した。
作品内で主人公は、アイドルを推すことについて、「背骨」と表現している。宇佐見氏は「私にとって小説は背骨で、これがあるからやっていけるというのがあって、これからも変わりない。背骨、全力で書いていきたい」と語った。
いまは大学2年生。「国文学専攻で大学で学んでいる。宗教学であるとか、日本の古典であるとか、語りについていろいろ調べたいことがある」と明かした。
主人公と同じく、推しているものについて問われると「この場では名前を控えたい。舞台で活躍されている方がいる。作品と同じ状況では全然ないですが、推しを推すという気持ちは入っているんじゃないかな」と笑みを浮かべた。
綿矢りさ氏、金原ひとみ氏に続く3番目の若さでの受賞となった。「自分としても、もっと長い目でというか、まさか21歳(で受賞)。自分の予定よりも早かった(笑い)。信じられない気持ち。でもまだ、自分の中で至らない部分というのは、若さゆえなのか、至らないところはすごくあって…」と心境を語った。