2021年度沖縄県予算 コロナ対策で過去最高額へ 税収減を見越し事業予算は10%減の方針

 沖縄県の2021年度一般会計当初予算案が過去最高だった16年度当初予算の総額7542億円を上回る見込みであることが20日、関係者への取材で分かった。新型コロナウイルス感染症の影響で、事業者などへの貸し付け資金が増加するなど、社会保障関係費の増額が背景にある。

 ただ県税収入は減額の見通しだ。県内景気の拡大を受け、19年度には1972年の日本復帰後、過去最高の1362億円余となった県税収入は、コロナ不況のあおりを受け本年度は減少するとみられる。県は税収減を見越し、各部局に事業予算を前年度の10%減とするように求めている。

 一方、県は新型コロナの影響で収入が落ち込んだ人らを対象に、昨年2月1日~今年2月1日が納期限の県税の徴収を、担保や延滞金なしに最大1年間猶予する特例制度を実施中だ。

 県によると、昨年4~11月の間に徴収猶予があったのは871件、17億8691万円余だった。このうち、法人事業税が全体の64%を占め、次いで不動産取得税(16%)が続いた。県税務課は「担保や延滞金なく納税を猶予できる制度なので、企業が手元の資金を運転資金に充てているのではないか」と推測している。

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