【バイデン新大統領】「内向き」政策不可避 国際協調へ転換も 防大武田教授

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武田康裕教授

 米国のジョー・バイデン新大統領は、トランプ政権の「自国第一主義」からどのように政策を転換するのか。国際関係論や安全保障が専門の防衛大・武田康裕教授は「多国間主義、国際協調路線へと変わる」とした上で、米国内の問題に対処するため、外交を含めて「内向き」の政策重視を当面は避けられず、そのことが在日米軍に関する日米間の交渉にも影響を及ぼす可能性を指摘する。

 気候温暖化問題などを中心に国際秩序に積極的に関与するとみられるバイデン新大統領。ただ武田教授は「新政権の政策も米国社会の構造的分断の影響を受けることになる」と強調。ここ20年ほど米国内で問題となっている所得格差の拡大や人種構成の変化などを背景に、社会保障政策や白人中間層への配慮など、国内に目を向けた政策を重視せざるを得ないとみている。

 「オバマ氏、トランプ氏と大統領が2人続けて、米国は『世界の警察官』になれない、意思も能力もないと公言している。財政的な回復がない限り、新政権でも警察官にはならない」。米国は戦略的利益のために世界中に軍隊を駐留させてきたが、今後は国内問題への対応がこれまで以上に財政を圧迫する。武田教授は、政権が代わっても、こうした問題が引き続き在日米軍の経費などの交渉に影響するとの見通しを示す。

 菅義偉首相は2月にもバイデン新大統領との会談実施を目指している。武田教授は「日米同盟が双方にとって安心で信頼できる枠組みだと、できるだけ早く確認した方がいい」とする。