【連載】新潟の大学生発! SDGsから新潟の今を考える「SDGsって何?」

こんにちは、新潟カープの小野木です。今回は、「SDGsとは何なのか?」について解説していきます! 社会問題について学んだり、ディスカッションしたりして感じたことを踏まえて大学生視点でSDGsを見ていきます。

SDGs基本情報

SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」という意味で、2016年から2030年までの目標です。

2015年9月25日から27日にニューヨークで開催された「国連持続可能な開発サミット」で『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』という議題が採択されました。これは2001年に策定された「ミレニアム開発目標(MDGs)」の後継にあたります。この「2030アジェンダ」の中で、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」が掲げられています。

SDGsロゴ

17の目標は以下のとおりです。

1.貧困を無くそう

あらゆる場所であらゆる形態の貧困に終止符を打つ

2.飢餓をゼロに

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

3.すべての人に権衡と福祉を

あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

4.質の高い教育をみんなに

すべての人に包摂的かつ公平で質の高い提供し、生涯学習の機会を促進する

5.ジェンダー平等を実現しよう

ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

6.安全な水とトイレを世界中に

すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する

8.働きがいも経済成長も

すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る

10.人や国の不平等をなくそう

国内や国家間の格差を是正する

11.住み続けられるまちづくりを

都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする

12.つくる責任・つかう責任

持続可能な消費と生産のパターンを確保する

13.気候変動に具体的な対策を

気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

14.海の豊かさを守ろう

海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

15.陸の豊かさも守ろう

陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

16.平和と公正をすべての人に

持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

17.パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グロバール・パートナーシップを活性化する

【出典】”SDGsとは?JAPAN SDGs Action Platform”.外務省
(参照2020/05/02)

SDGsの経緯

過去の活動でディスカッションしている様子

最初の基本情報にも出てきたMDGs(ミレニアム開発目標)とは、2001年から2015年までの途上国の経済開発を中心とした目標のことです。このMDGsに取り組むことで、一定の効果はあったようですが、経済開発という側面だけでなく、経済・社会・環境の3つの側面を考慮しながら、国際社会全体が取り組むべき課題も浮上してきました。

今までの国際開発は、北の先進諸国が南の途上国を支援するというものでしたが、現実には、世界全体の豊かな国・貧しい国は南北に分かれているわけではなく、MDGsの時点から、グラデーションになっていたと言われています。そのため、MDGsに取り組みながら、世界全体の協力システムを考える必要性が表面化しました。

また、マスメディアやインターネットが世界を結び付けている現在の情報環境においては、極端な人道危機の状況があると、最貧国であっても何かしらの対応をします。例えば、東日本大震災では、日本に対して世界中から多大な支援を受けていましたが、最貧国と呼ばれる48か国のうち35か国が日本に支援していました。これは、地球社会が一気に一体化する象徴的な出来事であったとされています。

このような「国際開発への認識の変化」と「世界全体が繋がれる環境」の中で、地球社会全体で平和な未来を目指すための羅針盤としてSDGsはできました。SDGsは、未来のあるべき姿から、今できることをするという思考方法で考えられているものです。

SDGsの考え方をもとに、地球社会全体が目指すべき未来から、自国の問題・課題を抽出することで、国・地域・立場を超えた協働・対話をより円滑にできると思っています。

【出典】

”SDGsとMDGsの違いとは?目標や内容を比較”.good do
https://gooddo.jp/magazine/sdgs_2030/3516/,(参照 2020年5月2日)

持続可能な開発目標(SDGs)の思想的背景と現実的課題 ―開発、環境、安全保障―. 高橋 一生

「誰一人取り残さない」を実現するために

SDGsの経緯という観点から説明をしましたが、自分とは関係のないことのように思うかもしれません。「誰一人取り残さない」社会の実現のためには国家だけでは限界で、市民社会・企業も重要な役割を担っています。

しかし、日本においては未だに国家主導の色が強く、市民社会・企業に正しく浸透させること、連携することが課題として挙がることは多いです。

私たちの生活が身近な誰か・どこかの誰かとの相互依存によって成り立っているように、17の目標も相互に関係しています。これらの目標を連携させながら、地球規模の誰一人取り残さない社会を実現するためには、SDGsを自分事として捉え、一人ひとりが主体になれる大きな動きが必要であると感じます。

未来の幸せのために自分に今できることは何だろうかと身近なことから考えて行動してみることが自分の思う以上に、社会貢献になっているのではないかと思います。

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【連載】新潟の大学生発! SDGsから新潟の今を考える 第1回「SDGsの実現の先にある新潟の未来」(2020年12月28日)

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