核禁条約きょう発効 「日本のオブザーバー参加重要」 長大レクナ、オンライン会見

オンライン会見で核兵器禁止条約について語る鈴木副センター長(中央)ら

 核兵器禁止条約の発効を前に、長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)の教員4人は21日、オンラインで記者会見。核保有国や非保有国が条約を核廃絶のための共通基盤と認識し、条約の実効性を高めるため、日本は少なくとも締約国会議にオブザーバーとして参加することが重要だと指摘した。
 核保有国や、日本など「核の傘」に依存する国は条約に参加していない。会見で、中村桂子准教授は核廃絶にはそうした国々の参加が不可欠と指摘。非保有国との溝を埋めるための「プラットフォーム(基盤)」として条約を活用することで、「核軍縮・不拡散の前進につながる」と述べた。
 条約は核爆発や核実験に伴う被害者の援助、環境修復も柱に据えている。広瀬訓副センター長は、日本は広島、長崎の原爆被害や福島第1原発事故の経験を生かして「締約国会議をリードし、貢献することが『橋渡し』になる」と語った。
 条約発効ですぐに核兵器がなくなるわけではないものの、吉田文彦センター長と鈴木達治郎副センター長は、各国の政策や行動に影響を与え「潮流が変わる可能性がある」などと話した。
 レクナは同日、条約に関する論考集をホームページに公表した。

© 株式会社長崎新聞社