瀬戸内海に異変 ノリが黄色に・・・ 原因は「海水がきれいすぎる」【地球派宣言】

日本の食卓に、昔から登場している「ノリ」。

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瀬戸内海に浮かぶ田島(福山市内海町)は、ノリの養殖が盛んです。

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田島漁協の組合長が見せてくれたのは、1月上旬に水揚げしたノリ。
よく目にする黒っぽいノリではなく、ほぼ黄色。
甘みも少なく、商品価値がないと扱いに困っていました。

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黄色いノリが水揚げされるようになったのは、4年以上前からだそうです。
瀬戸内海で何が起きているのでしょうか。

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広島県外の漁協に許可を得て、特別に養殖用の網を設置した場所で水揚げされたものは、ノリ本来の色をしています。

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しかし、県内の養殖施設で引き揚げたノリは黄色でした。

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その原因は「海水がきれいすぎる」からだというのです。

1973年、赤潮の発生をおさえるため、国は瀬戸内海へ流れる下水や工場の排水に規制をかけました。
その結果、川が運ぶ栄養源である窒素やリンの濃度が下がってしまい、黒く色付かないノリが水揚げされるようになったといわれています。

海水がきれいすぎると栄養不足となり、小魚が増えず、それを食べる大きな魚もいなくなり、卵を産む魚がいなくなります。
ノリや他の海産物も同じ傾向にあるそうです。

瀬戸内海はきれいな反面、魚やノリに必要な海の栄養が不足する事態となっていました。
一部の自治体では、下水処理を調整し、海の栄養源を増やすなど、取り組みをはじめていますが・・・。

豊かな海を取り戻すには時間がかかるといわれています。

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広島ホームテレビ『みみよりライブ 5up!
地球派宣言コーナー(2021年1月20日放送)

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