カカシの頭に包丁 村人がつける謎のお面 24歳の”暴力映画界の新星”が監督 映画「黄龍の村」公開決定

若干24歳にして数々の映画祭で賞を受賞してきた阪元裕吾が監督・脚本・編集を手がける映画「黄龍の村」が、2021年に劇場公開されることが決まった。

「黄龍の村」は、キャンプ場へ向かう途中で、携帯電話のつながらない山の中で車がパンクしてしまった若者たちが、包丁が頭に刺さった案山子(カカシ)や不思議なお面を被った村人たちがいる奇妙な村に迷い込む物語。阪元裕吾が監督・脚本・編集を手がけ、水石亜飛夢らが出演している。

阪元裕吾は、殺人を趣味にするカップルを描いた「ベー。」を20歳で発表し、「残酷学生映画祭2016」のグランプリを受賞。さらには、サイコ殺人鬼と凶暴兄弟の対決を描いた暴力映画「ハングマンズ・ノット」で「カナザワ映画祭2017」新人監督賞と出演俳優賞をダブル受賞。続くパン屋を舞台にしたブラックコメディ「ぱん。」(辻凪子と共同監督)では、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」短編コンペティション部門グランプリ、海外映画祭初参加の「プチョン国際ファンタスティック映画祭」で審査員特別賞受賞を果たすなど、圧倒的な暴力描写の自主映画で大学在学中から高い評価を得てきた。

その後、子どもを轢き殺した認知症の祖父を家族が餅を食べさせて殺そうとする内容が論争を呼んだ「ファミリー☆ウォーズ」で商業デビュー。アクション映画「最強殺し屋伝説国岡」「ある用務員」も手がけ、”日本暴力映画界の新星”として活躍を続けている。

公開決定に寄せた阪本監督のコメントでは、役者にスマートフォンを渡して主観映像を撮影してもらいながら即興で演出したことを明かし、「考えるよりも状況に応じて反射で進めていく現場は、やっぱり頭フル回転になって楽しいなあと改めて思いました」と撮影を振り返っている。

■阪元裕吾監督 コメント全文
監督の阪元です。『黄龍の村』に興味を持っていただきありがとうございます。
本作品は自身のオリジナル企画として作ったごった煮の映画となっています。原作物の企画が通りやすい現状で、オリジナル脚本でこのような作品を撮れたことを大変うれしく思います。
この作品を撮影したのは2019年11月でして、そこから新型コロナウイルスの影響もあり公開が伸び、もう2年近く経とうとしています。この作品に出演している役者たちは大学から一緒にやってきた人たちが多く、あまり普通では考えられないような芝居の撮り方をしました。それはPOVシーンでして、そこでは役者に直接スマートフォンを渡して撮ってもらい、その場で即興での会話を引き出し、自分もアイディアを出してアドリブでガンガン進めていくというものでした。
目まぐるしく変わっていく状況や俺のアイデアに全力で応えてくれた水石亜飛夢はじめ多くの役者たちには本当に感謝したいです。ああいう、考えるよりも状況に応じて反射で進めていく現場は、やっぱり頭フル回転になって楽しいなあと改めて思いました。
本当に素敵なキャストやスタッフに囲まれて、自分らしいオリジナル映画が完成しました。
まだまだこれからもオリジナル原作問わず楽しいエンタメ映画を撮ってきたいと思っています。
ぜひみなさんお楽しみにしててください。
よろしくお願いいたします。

黄龍の村
2021年公開決定
配給:ラビットハウス
©2021「黄龍の村」製作委員会

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