オリックスのドラフト1位は育っているか? 吉田正&山岡一本釣りで成功も…

オリックス・山岡泰輔と吉田正尚(左から)【写真:荒川祐史】

吉田正は20年に首位打者、山岡は19年に最高勝率のタイトル獲得

12球団にとってチーム編成の根幹を成す毎年のドラフト会議。そこで指名した選手たちが翌年、さらには3年後、5年後のチームを支える存在に育ってくれるかどうかは、球団成績の浮沈を左右する重大事だ。

では、各球団は近年どれだけドラフト1位で指名した選手たちを育て上げることが出来ているのか。希望枠、自由獲得枠が廃止され、ドラフトが現行システムとなった2008年以降のドラフト1位指名選手の成績を検証してみよう。

なお、編集部独自に簡易的ではあるが、採点基準を設定。数多く試合に出場してチームの戦力となっているかを計るために出場試合数に応じた得点制とし、10点満点とした。なお、先発、中継ぎ双方で投げた投手には「先発数×2.5」試合で補正をかけることとした。

・野手:100試合、300試合、500試合、700試合、1000試合出場で1点ずつ
・投手(先発):20試合、50試合、75試合、100試合、150試合で1点ずつ
・投手(中継ぎ):50試合、100試合、150試合、200試合、300試合で1点ずつ
・個人タイトル獲得者:4点ずつ(ベストナイン、ゴールデングラブ賞も含む)

今回は2年連続でパ・リーグ最下位に沈んだオリックスだ。近年はリーグ下位と低迷の続くオリックスだが、過去12年間のドラフト1位を見ると、コンスタントに1軍の戦力を輩出していることが分かる。

吉田正と山岡以外にもコンスタントに1軍の戦力は輩出

その中でも代表格は2015年の吉田正尚外野手、2016年の山岡泰輔投手の2人だろう。吉田正は2015年のドラフトでオリックスが一本釣りに成功。1年目、2年目は怪我の影響で60試合ほどの出場にとどまったが、3年目についに覚醒。打率.321、26本塁打86打点をマークすると、昨季は首位打者のタイトルを手にした。今や球界屈指の強打者の1人となっている。

山岡も2016年のドラフトで一本釣り。1年目から先発ローテの一角をにない、8勝をマークすると、3年目の2019年には26試合に登板して13勝4敗、防御率3.71、勝率.765で最高勝率のタイトルを獲得した。オリックス投手陣で山本由伸投手と双璧を成す2枚看板の1人となっている。この2人はほぼ満点に近い評価と言えるだろう。

タイトル獲得者はこの吉田正、山岡の2人だけだが、それ以外にも多く1軍の戦力になっているのがオリックスの特徴だ。2010年の後藤駿太外野手はこれまで822試合、2011年の安達了一内野手は964試合に出場。安達は難病の「潰瘍性大腸炎」を患いながら、チームの正遊撃手としてチームに貢献してきている。

2012年の松葉貴大投手も主に先発を任され、現在はトレードで中日でプレーしている。吉田一将投手は中継ぎとして226試合に登板し、山崎福也投手も44試合に先発するなど、これまで107試合でマウンドに上がっている。この面々はタイトル実績こそないが、まずまずの得点をあげている。

2018年は太田椋内野手、2019年は宮城大弥投手と高卒の有望株を1位で指名したオリックス。さらに2020年も山下舜平大投手を指名と、ここ3年間は将来が楽しみな素材をチームに加えており、今後に期待したいところだ。

【表】活躍を数値化… 現行システムとなった08年ドラフト以降のオリックスのドラ1を独自検証

【表】活躍を数値化… 現行システムとなった08年ドラフト以降のオリックスのドラ1を独自検証 signature

(Full-Count編集部)

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