輸出2年ぶり減 2020年県内貿易概況 長崎税関

 長崎税関が22日に発表した2020年の県内貿易概況によると、輸出額は船舶類の減少で前年比34.9%減の2040億9400万円、輸入額は石炭の価格下落などで同12.3%減の1536億5千万円だった。輸出は2年ぶり、輸入は2年連続のマイナス。差引額は504億4400万円で42年連続の黒字だった。
 輸出は全体の84%を占める船舶類が、前年比39.9%減の1716億3600万円。新造船は前年より4隻少ない51隻で高額なタンカーの減少が響いた。外国産品の再輸出品は欧州向けが増え、同20.6倍の121億900万円だった。
 輸入は全体の8割に当たる鉱物性燃料が同16.1%減の1244億2200万円。石炭価格の下落が影響した。電気機器は風力発電の重電機器が伸び、同4.9倍の34億8千万円だった。
 長崎港も輸出額が2年ぶり、輸入額が2年連続でマイナスながら42年連続黒字。輸出額は同65.4%減の589億3800万円、輸入額は同24.5%減の370億4200万円だった。
 新型コロナウイルス禍の影響について、長崎税関は「県内の場合、数年前からの船舶受注や石炭価格が大きく関わってくるため何とも言えない」としている。
 20年12月の県内貿易概況も発表し、輸出額は新造船が2隻あり、前年同月比3.2倍の75億9500万円。輸入額は同2.9%増の165億1100万円だった。

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