海外でも日本の授業に遅れないように——コロナ禍で注目のオンライン学習塾

海外の学校に行くと一番心配なのが、日本に戻ってきたとき、日本の学習についていけるか? ということではないでしょうか? そのような心配事をなくすために、オンラインで学習をサポートしてくれる学習指導塾があります。その学習塾の代表にインタビューしました。

バンコクでオンライン学習を受けられる日系塾

コロナ禍で自宅学習の時間が長くなるに従い、「家庭教師のサービスが気軽にオンラインで受けられたらいいのに……」という思いを日々募らせている親御さんも多いのではないでしょうか。また、すでに海外に移住している方の家庭教師や塾選びは、選択肢の少なさや、通塾に当たっての治安の問題など、心配事は絶えません。

とくに、今から長期的な計画で海外移住を積極的に考える方にとって「日本のオンライン塾や家庭教師に早めに慣れさせておきたい」という向きは、以前よりいっそう高まっているのではないでしょうか。早めから対策を練って、海外生活の不安を少しでも減らしておきたい方や、インター校への生活に備えて日本人の先生としっかりつながって、日本語の勉強がおろそかにならないようにしておきたいという希望をもった方もいるでしょう。

そういったニーズに応えられる学習塾はあるのでしょうか。バンコクでオンライン学習を受けることのできる日系の塾「RED」西尾靖代表にお話をうかがいました。

——バンコクの教室にはどんな生徒さんが入塾していますか?

西尾靖氏(以下、西尾) 泰日協会学校(バンコク日本人学校)に通う生徒さんが多いですが、インターナショナルスクールに通われているお子さんもいます。

——ITを使って学習できるということですが、具体的に家と塾でどういった進め方をしますか?

西尾 タブレットを使います。AIを搭載した最新の教育ITを使い、一人ひとりにあわせた個別カリキュラムで、学習量を増やしていきます。具体的には学校の勉強の予習をしていく形で、通塾している時間はもちろん、自宅で学習するときもオンラインで個別に質問できるようになっています。

わからないときは、正社員講師ができるまで個別指導をするので、「わからない」をそのままにはしません。質問は勉強の内容だけでなく、タブレットの操作でわからなくなったときも、スタッフに気軽に質問してもらえるようになっています。

REDの授業は、自宅でも集中して学習できる仕組みがたくさんあります。だらけてしまいがちな家庭学習でも、REDなら80分間、密度の高い学習が可能です。

自主的な勉強をサポート

——「自立学習」とはなんでしょうか?

西尾 端的に言えば、塾と家庭教師のいいとこどりです。お子さん一人一人に合わせ、自主的に勉強するのを我々がサポートします。REDの「自立学習」で経験した勉強内容を学校では復習することになるので、能動的に勉強に取り組む姿勢が身につきます。

学校のオンライン授業は、「課題が出されるだけ」「YouTube任せ」といったところも多いと思いますが、それらとは一線を画します。

——海外で日本人向けに開講している塾としての特徴を教えてください。

西尾 情報化社会といえども、海外に長く住んでいると日本の状況は肌で感じることがないため、感覚が麻痺してくる部分もあります。我々は常に日本の状況に即した内容で、塾のカリキュラムもその都度見直しています。

今、塾に求められていることは、ずばり「少子化対策」です。日本は少子化に伴って、今後ますます推薦入試の枠が増え、学校のテスト・内申点対策が重要になってきます。REDではここに焦点を絞って、とにかく目標を達成すること、志望校合格に向けた学習計画に徹底的に力を入れていきます。

「いい大学に入っていい会社に入ることがすべてではない」という風潮はたしかにありますが、苦労して学歴社会を生き抜き、海外で生活をすることを決断し、活躍している親御さんの大半は、お子さんには「なるべく早く推薦枠などで入試を突破し、後から苦労する道をできるだけ選ばないでほしい」と切望され、塾に通わせている方が多いのも事実です。

今後、家族の本帰国が決定している方は、とくに日本に帰ってからの学習の遅れが生じないか気になるところですよね。REDでは、日本に戻ったときに、勉強に関してまったく心配いらない状態になるよう、学習計画に徹底的に力を入れています。

野球の指導が勉強の指導方法のヒントになる

——西尾さんご自身は海外生活で子どもたちとどのように接していますか?

西尾 実は数年来、私は日本人学校で野球を教えています。子どもたちと一緒に汗を流しながら、ともに楽しい時間を共有しコーチ業を愉しんでいるのです。

野球の時間は子どもたちの素顔に触れる瞬間でもあるので、「RED」経営のヒントになっているところもあります。たとえば、バットの振り方や走り方に課題感があってその場でズバリ指摘しても、すぐ子どもたちはできません。そんなときは、すかさず「うちに帰ってこのYouTube見といて~」と帰り際にURLを教えるんです。動画に頼るなんていい加減なコーチだと思わないでくださいね(笑)。

人間の五感はフル活用してはじめていろいろなことが身につきます。中でも視覚情報ってかなり重要で、反復練習もすごく大事。動画を観て納得して、次の野球練習に臨めば、共通の「動画」というものを話題の中心に、コーチと選手という垣根を越えて楽にコミュニケーションが取れます。お互い時間を無駄にしません。

私が子どものころは、「苦労は買ってでもしろ」という、努力と根性をひたすら積み重ねる指導が美徳とされていました。しかし、今は違います。いかに効率よく目標を達成して、メリハリのある生活を長く楽しめるかということに、人生の価値観が移ってきているように思います。子どもたちの野球に取り組む姿勢、勉強に取り組む姿勢にもそれは共通して感じることですね。

日本語の積み重ね学習ができるように

——今後何か新しい取り組みはありますか?

西尾 主にインターナショナルスクールに通うお子さんを対象として、日本語学習のクラスを開講予定です。英語の約3倍の語彙数があるとされる日本語は、ネイティブの人であっても積み重ねの学習がとても大切です。海外移住で英語と日本語のバイリンガル教育を実践されている家庭でよくあるのですが、英語と日本語がチャンポンになってしまう問題です。どうしても英語の単語一つに込められる意味の多い英語のほうが便利なので、頻繁に使ってしまうのです。

日々生活をともにする親御さんにしてみれば、「話している言葉の意味はだいたいわかるし、間違っていないけど、このまま日本の社会で通用するわけでもない。その都度叱って直していいかよくわからない」といった、漠然とした不安がずっとつきまとうことになりますし、子どもたち自身もモヤモヤともどかしさが日々蓄積していくはずです。

REDではこれを徹底的に分析し、日本語の積み重ね学習ができるようにしました。体制が整う3月ごろから募集を開始する予定です。

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