近松門左衛門ゆかりの地・福井県鯖江市を歩いてみた!

福井県鯖江市は、人形浄瑠璃や歌舞伎の作者で知られる近松門左衛門が幼少期を過ごした場所と言われています。
また、これまで出生地は福井市であると言われていたのですが、最近、出生地も鯖江市ではないかとの説が浮上しています。
その詳細や、近松門左衛門が幼少期を過ごした、かつての吉江藩を歩いてみました。

近松門左衛門の出生地は鯖江市!?

近松門左衛門は、吉江藩主・松平昌明に仕えたとされる父親とともに、2歳のときに吉江藩の城下に移り、父親が吉江藩を辞し、京都に移るまでの幼少期数年間を吉江藩で過ごしたと言われています。
この吉江藩とは、現在の鯖江市吉江町周辺のことです。

また、出生地はお隣の福井市であると言われていましたが、最近になって、出生地も鯖江なのではないかとの説が浮上しています。

ということで、鯖江市にある近松門左衛門ゆかりの地『近松の里 たちまち』に足を運んでみたので、まわりやすいルート順に紹介します!

近松門左衛門ゆかりのスポット①榎お清水(えのきおしょうず)

鯖江市内には『ふくいのおいしい水』に認定されている湧水地がいくつかあり、その中の一つに榎お清水があります。
榎お清水がある米岡町には吉江藩館があったため、この辺りは城下町として栄えていました。

近松門左衛門も榎お清水を訪れていた、織田信長が朝倉攻めの際に榎お清水に炊事場として石組を造るように命じた、と言われているなど、さまざまな歴史が残っています。

手前には近松門左衛門が幼少期を過ごした頃を思い起こす里山ビオトープが整備されていたり、大きな池があったりして、近松門左衛門との関わりを感じることができます。

榎お清水の詳細はこちら>>鯖江市にある「ふくいのおいしい水」を徹底調査!福井県は水が美味しいって本当?

近松門左衛門ゆかりのスポット②春慶寺

奈良時代に創建されたお寺で、泰澄大師(福井市南部で生まれ、白山を開山した偉大な人物)が修行中に草庵を結んだ『心敬時(しんけいじ)』が前身であり、吉江藩が成立してから春慶寺という名前になりました。
本堂左脇にある1本の大杉と、117基の石造物は鯖江市の指定文化財になっています。

近松門左衛門の父親が藩を辞したあと、彼らの生活は一変し、一家で春慶寺の一隅を借りて住んでいたそうです。

近松門左衛門ゆかりのスポット③大谷公園

実のなる公園と呼ばれ、栗、柿、イチジク、スモモなどを植栽し、「育て・収穫し・食する」体験学習型森林公園を目指して整備が進められてきました。

平成20年度から市内の全小学校の子どもたちがドングリを拾い、苗を育て、植樹までを体験する「どんぐりからの森づくり」にも取り組んでいます。

近松門左衛門との関わりがあるのかは不明ですが、公園内には越後に流罪になった親鸞がその道中で植えたとされる栗の木があり、2年に3度も実をつける三度栗と呼ばれています。

周辺の近松門左衛門ゆかりのスポットに行くついでに足を伸ばしてみては?

大谷公園や、大谷公園で行われているイベントの詳細はこちら>>親鸞ゆかりの実のなる公園!?大谷公園ってどんなところ?

近松門左衛門ゆかりのスポット④近松門左衛門座像

せっかく近松の里を散歩するなら、やっぱり近松門左衛門に会いたいですよね。
こんな道端に!と驚くほどなんの前触れもなく急に現れるので、見つけたら記念撮影してみてください。

近松門左衛門ゆかりのスポット⑤吉江藩館跡

吉江藩館跡には館跡の碑と吉江藩主松平昌親の説明があるのみ。
当時の面影はありませんが、近松の里においては重要な場所です。

近松門左衛門ゆかりのスポット⑥弁天橋

近松の里を流れる浅水川にかかる橋です。
まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような風情ある景色が広がっています。

近松門左衛門ゆかりのスポット⑦吉江神社

吉江藩主松平昌親公を大変敬慕していた吉江町民によって、百回忌の際に御霊宮が吉江藩跡に再建され、祀られたものです。
家臣の子孫から灯篭、手水鉢が寄進されたそうです。

近松門左衛門ゆかりのスポット⑧吉江七曲り通り

吉江町は城下町だったため、城に簡単に攻め込まれないように複雑な道になっています。

吉江七曲り通りは、昔の城下町の面影が色濃く残っている場所で、福井ふるさと百景にも選ばれています。
昔ながらの街並みが好きという人にはとてもおすすめのスポットです。

近松門左衛門ゆかりのスポット⑨近松門左衛門記念碑庭園

立待(たちまち)公民館にある庭園です。
この庭園を上から見ると、近松門左衛門の作品演劇で欠かさない三味線の形になっています。

近松門左衛門の像や作家の水上勉さんの揮毫の碑も。

立待公民館は、近松門左衛門と『近松の里たちまち』を広くアピールするために、さまざまな地域文化の掘り起こし事業に取り組んでいて、近松の里づくり事業の活動拠点として、地域住民の生涯学習活動や芸術文化活動を支援しています。

近松門左衛門の作品を紹介するスポットも!

ちかまつの里では紙芝居のように、近松門左衛門の作品をわかりやすく紹介してくれるスポットがあります。
『曽根崎心中』の他にも、『女殺油地獄』という堕落しきったダメ男が殺人を犯すという超バッドエンドの作品を紹介しているスポットがあります。

難しそう!と思うかもしれませんが、紙芝居はとてもわかりやすく解説しているので、引き込まれてしまいますよ!

今回紹介したスポットの他にも、西番天満神社、福正寺、正光寺、石田の渡し場跡、糺野お清水など、近松の里には見どころがいっぱい!
歴史や文学好きな方はゆっくり歩いてみてください。

各スポットの位置情報などは以下でご紹介しています。

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