ロッテ角中らが少年野球指導者に切なる願い 「勝負だけでなく楽しいということを」

ロッテ・角中勝也(左)と平沢大河【写真:荒川祐史】

全国の優秀なチーム、指導者を表彰する「ベストコーチングアワード2020」が発表

一般社会法人スポーツメディカルコンプライアンス協会は23日、オンライン上で「ベストコーチングアワード2020」の発表を行った。指導者向けの講義、現役プロ野球選手からのメッセージとあわせ、全国の58チームが「スポーツメディカルコンプライアンスに則った指導方法を実践している優秀なチーム・指導者」として表彰された。

このアワードは、子どもたちの適切なスポーツ環境を整えるため、指導者にメディカルとコンプライアンスに関する知識を深めてほしいという願いを込め、昨年制定されたもの。そこで、全国各地ですでに実践している指導者を表彰し、広く意識を普及させる目的がある。

対象となるのは、中学校の部活や女子野球も含めた、日本の学童・少年野球チーム。子どもたちの未来を見据え、怪我や障害を起こさないように心掛けた指導を実践し、学ぶ姿勢を持ち続けている指導者たちを表彰している。

昨年は都内で表彰式を開催したが、今年はコロナ禍によりオンライン上で実施。同協会で理事を務める中英行氏による「スポーツパーソンシップ勉強会」、慶友整形外科スポーツ医学センター長の古島弘三医師による「指導者・保護者が知っておくべきこと」という講演が行われたほか、理学療法士とコンディショニングコーチによる「学童期を対象としたストレッチ」のレクチャーが行われた。

一般社会法人スポーツメディカルコンプライアンス協会は23日、オンライン上で「ベストコーチングアワード2020」の発表を行った

「それぞれの子どもたちが持つ夢や目標を叶えるための指導を」

また、現役プロ野球選手から指導者に向けてビデオメッセージも寄せられた。ロッテの角中勝也外野手は、年に1、2回肩や肘の検診を選手全員に行い、子どもたちの状況を知った上で練習メニューを考えてみることを提案。野球をする子どもの中には、甲子園やプロ野球を目指す子どもたちだけではなく、友達と楽しみたい目的の子どもたちもいる事実を指摘し、「それぞれの子どもたちが持つ夢や目標を叶えるための指導を宜しくお願いします」と語りかけた。

小学生の頃に肘を怪我し、プロ入り後に再発したというロッテの平沢大河内野手は、「怪我をしてしまうと、その時間がもったいなし、辞めてしまう子どもが出てくるかもしれない」と指摘。勝負の楽しさは高校以降に味わえるものだから、「小中学生は勝負だけではなく、野球が楽しいということを一番に考えるのがいいと思います」と伝えた。

野球に興味を持った子どもたちが楽しく長くプレーし続けるためにも、指導者は子どもの安全ファーストで日々の練習と向き合いたい。

「ベストコーチングアワード2020」の表彰チームは下記の通り。

【トリプルスター】
選考基準を満たしたチームから特に優れたチームを選出

市川ポニー
浦和ボーイズ
春日部ボーイズ
春日学園少年野球クラブ
堺初芝ガールズ
堺ビッグボーイズ
札幌豊平ボーイズ
湘南ヤングスラッガーズ
館林慶友ポニー
東京インディペンデンツ
奈良ポニーFOD
ブエナビスタ少年野球クラブ
本庄ボーイズ
前橋中央硬式野球倶楽部
南生田ウイングスAチーム
南大分友愛ベースボールクラブ
八幡イーグルス
レッドスネークコルツ
和歌山北ボーイズ

【ダブルスター】
選考基準を満たしたチーム

愛知石巻ベースボールクラブ
板橋区立志村第三中学校野球部
市原ポニーベースボールクラブ
大山ファイターズ
鎌倉笛田エース
清瀬ポニーリーグ
Kスラッガーズ
諏訪クラブ
高茶屋ブルーオーシャンズ
高松ボーイズ
つくばJwarriors
西東京ドジャース
ニューダイヤフレンズ
花見川少年野球クラブ
北斗ベースボールクラブ
みなとみらいクラブ ブルーウインズ
横浜青葉NEXUS
横浜金沢V・ルークス

【シングルスター】
選考基準に則り認定されたチーム

赤西ナインスポーツ少年団
EAST東京パイレーツ
宇都宮ポニーベースボールクラブ
大阪狭山ヤング
香取ベースボールアカデミー
麹町ドリームス
江東ポニーリーグ(江東ライオンズ)
佐世保ビッグディッパーズ
下鴨シャークス
勝央ボーイズ
杉の子くらぶ
栃木ポニーブロンコ/栃木南HOPES
富浜バッファローズ
新潟クラウン
新潟ヤング
羽田アンビシャス
東村山リトルシニア野球協会
将門ベースボール
南生田ウイングスBチーム(低学年)
都島ブラックファイターズ
ワイルドボーイズ少年野球クラブ(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2