「ロックダウンに近い策を」 宮古病院が一般外来を休止 2月1日まで コロナで医療崩壊寸前

 【宮古島】沖縄県立宮古病院の本永英治院長は25日、同病院で会見し、新型コロナウイルス患者増で病院機能と病床確保が逼迫(ひっぱく)しており「医療崩壊寸前の危機的状況」と強調した。「市にロックダウン(都市封鎖)に近い施策を求めたい。市民の行動変容も強く求める」と危機感をあらわに訴えた。26日からの一般外来休止も正式に発表した。

 本永院長はロックダウンについて、感染拡大防止の観点から「島外渡航の自粛などを市に訴えてほしい」とした。市内での感染拡大の背景には市民の一部で会食やカラオケ、模合などを続けている現状があるとして「宮古島市として市民に強く自粛を呼び掛けてほしい」と要望した。

 一般外来休止はコロナ対応の医師や看護師確保が主な理由。2月1日までを予定しているが状況によっては延長する。外来は電話診療を継続活用する。外来化学療法と注射通院、産婦人科の一部、透析、救急外来は従来通り行う。

 宮古病院によると、25日午前に同病院のコロナ病床(36床)が満床となり、47床(コロナ43床、ICU4床)に拡張した。同日午前の時点で、宮古病院以外では、民間病院に4人が入院、宿泊施設療養19人、老人福祉施設で8人が療養している。県によると同日、宮古島市で新たに5人の感染が確認された。本永院長は直近1週間のPCR行政検査数が238人に上っているとして「島全体に市中感染が拡大している。今後も患者が増える可能性が高い」と強調した。

 また、宮古病院の入院患者のうち8割以上の30人が61歳以上と高齢者が急増していると指摘した。会食やカラオケなどで感染した人からの家族感染や職場感染が続いているとして「コロナは軽症で済むとの考えは非常に危険だ。本人は大丈夫でも高齢者は助からない。感染源になるリスクを考えて行動してほしい」と市民に呼び掛けた。

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