「投手コーチ3人体制」で注目される巨人・宮本コーチの〝手腕〟

巨人・宮本投手チーフコーチ

巨人は桑田真澄投手チーフコーチ補佐(52)の電撃復帰に沸いている。豊富な知見や理論がどんな化学反応を生むか、選手たちも興味津々だ。一方、レジェンド右腕の加入により今季の一軍投手コーチは3人体制となった。宮本和知投手チーフコーチ(56)にはモチベーターとは別の手腕も求められている。

15年ぶりに古巣のユニホームを着た元エースに巨人は大いに活気づいている。エースの菅野も桑田コーチの電撃加入を大歓迎した一人で「本当に尊敬できる大投手。ジャイアンツの18番を入団時から引退するまで背負っていた方。そういう方にしか分からない苦しみだったり、悩みはあると思うので」と早くも前のめり。春季キャンプを前にGナインの誰もがレジェンドの教えを心待ちにしている状態だ。

ただ、桑田コーチの入閣が正式に決まったのは異例の年明け。今季のコーチ人事は昨年12月上旬に発表済みで、宮本チーフコーチと二軍から昇格した杉内俊哉投手コーチ(40)の2人となる予定だった。そこへ飛び込んできたのが桑田コーチのサプライズ就任。投手陣を3コーチでリードする形となった。

そこで注目されているのが、宮本コーチの〝統制力〟だという。球団関係者は「宮本コーチにも杉内コーチにもそれぞれの考え方がある。桑田コーチの新しい考え方や理論を入れるに当たって、3人の言うことがバラバラになってはもったいない。そこでどうバランスを保っていけるか」と語る。

宮本コーチと言えば、持ち前の明るいキャラクターと冗舌ぶりでG投の士気をとことん高める盛り上げ役としても欠かせない存在だ。一方で、宮本コーチも年々進化を遂げ、昨オフには原監督も「去年(2019年)の1年で日本一上達したと思う。ミヤの選手に対する思いも含め、メカニックも見られるようになってきた」と認めたほど。投球技術も教えられるモチベーターとなり、宮本流理論も確立されつつある。初の一軍担当となる杉内コーチにも期するものがあるだろう。

また「桑田コーチは自分の考えをブレずにハッキリ言えるタイプ」(前出の球団関係者)。確かに、初仕事となった14日の新人合同自主トレ視察の際には「チーム方針はあると思うんですけど」と前置きした上で「僕個人的には一軍に上がる早さよりも、しっかりと鍛えて土台づくりをして1年でも長く活躍してほしい。新人の選手には2~3年かけてじっくり土台をつくって(一軍昇格は)それからでもいい」とズバリ言い切っていた。

各コーチの理論や考えを吸い上げ、いかに集約して選手に伝えるか。底抜けに明るい宮本コーチにはさらなるマネジメント力も求められそうだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社