小林可夢偉にさらなるIMSA参戦の可能性も? チームはエンデュランス・カップ残り3戦への出場を望む

 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦デイトナ24時間レースに48号車キャデラックDPi-V.Rでスポット参戦しているジミー・ジョンソンは、デイトナで好結果を出せばさらなるレースに出場する可能性がある、と語っている。

 7度のNASCARカップ王者であるジョンソンは、シモン・パジェノー、マイク・ロッケンフェラー、小林可夢偉とともにアクション・エクスプレス・レーシングがオペレートするDPiマシンで、10年ぶりにIMSAのレースに参戦している。

 現在、チームは第1戦デイトナ24時間(1月30〜31日決勝)のみの参戦を確約しているが、ジョンソンはより多くのウェザーテック・チャンピオンシップへの出場、すなわち長距離レースで構成される『ミシュラン・エンデュランス・カップ』タイトルがかかるラウンドへの出場が、今後参戦枠組みに含まれる可能性があると示唆した。

 これはジョンソンにとってはすでに参戦をコミットしているNTTインディカー・シリーズにおけるロードコース・プログラムに追加されるものとなるが、現在のところIMSAの最新版カレンダー上でミシュラン・エンデュランス・カップがかかるセブリング12時間、ワトキンス・グレン6時間、プチ・ル・マン10時間とは、日程のバッティングはない。

 なお、WEC世界耐久選手権全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦する可夢偉にとっても、(隔離期間含む渡航制限等を無視すれば)これらのIMSA3レースと他カテゴリーの日程重複は、現時点では避けられている。

「ここ(デイトナ)で良い走りをすることは、我々にとってかなり有益だと思う」とジョンソンは述べている。

「追加参戦のための、スポンサーシップの資金を手に入れることが重要だ」

「いま、マシンに乗っている4人全員が興味を持っている。皆がレースをしているさまざまなカテゴリーがどんなスケジュールになっているかは、僕は正確には把握していないけどね」

「だがアクション・エクスプレスには、マシンと設備、そしてそれを実行する能力がある。うまくいけば、僕らは資金を見つけて出場レースを追加することができるだろう」

「エンデュランス・チャンピオンシップには(デイトナ含め)全部で4つのレースがあるが、我々の参戦可能性もまた、そこにある」

“ドリームチーム”の4人がドライブする48号車キャデラックDPi-V.R

■48号車の4人は「ちゃんと機能する」ドリームチームとチームマネジャー

 チームマネジャーのゲイリー・ネルソンは、ジョンソンと同じ願望があることを明らかにしたが、まだ合意に達していないことを強調する。

「このメンバーでのプログラムは非常にやりがいのあるものであり、もっとレースをしたいとは思っている」とネルソンはSportscar365に対して語った。

「48号車にとっては現在のところ1回のみのプログラムとなっているが、舞台裏ではさまざまな準備をしてきたわけで、より多くのイベントに出場できればこれまでしてきた作業の効率も上がることになる」

「我々はジミーと一緒に仕事をするのが大好きだと言える。彼の周りの人々もみな素晴らしいので、非常に気に入っている」

「もし(この先も48号車という)2台目のマシンを走らせるとしたら、同じドライバーを起用したい。小林可夢偉、マイク・ロッケンフェラー、シモン・パジェノー、これらのドライバーが集まったことは、実に信じられない出来事だ」

「すべてのチャンピオンが、1台のクルマに集まっている。多くの場合、紙の上での“ドリームチーム”は、それぞれの個性やエゴなどの理由によって現実にはうまく機能しない。だけど、我々の48号車のドライバーたちは、そのような兆候すらない」

「彼らは“お互いのため”にそこにいる。私にしてみれば、これはモータースポーツの世界で成功するための秘訣のひとつだよ」

デイトナ・インターナショナル・スピードウェイのガレージに収まる48号車キャデラックDPi.V-R

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