テレワークで世界的に生産性が低下 - 主な3つの要因とは?

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米Asanaはは1月26日、 仕事における時間の使い方と習慣がもたらす生産性への影響を分析した年次レポート「仕事の解剖学」インデックス を発表した。

この調査は2020年10月に、Asanaの委託を受けてSapio Researchが職場での時間の使い方を理解するために、定量調査を実施した。AsanaとSapio Researchは共同でアンケートを作成し、45問の複数選択式の質問を行った。オーストラリア、ニュージーランド、フランス、ドイツ、日本、シンガポール、イギリス、アメリカの13,123人のナレッジワーカーの行動と意欲を調査した。日本の調査は2000人。

なお、「ナレッジワーカー」の定義は、時間の大半をオフィス、コワーキングスペース、または在宅勤務で過ごし、かつ 50%以上の時間をタスクを完了させるためにコンピューターやデバイスに向かって過ごすプロフェッショナルを指すもの。

それによると、従来のオフィス環境で通用した仕事のやり方をリモート環境で再現しようと試みる組織の従業員は、勤務時間の60%を本来の専門スキルや戦略思考を要する業務ではなく、仕事の調整に費やしているという。業界を問わず、あらゆる規模の組織が、情報の収集や検索、アプリの切り替え、進捗会議などの「仕事のための仕事」に膨大な時間を浪費しているという。

従業員数が5000人超の企業になるとその規模も拡大するため、毎週63%の時間が「仕事のための仕事」の処理に費やされているという。

従業員の87%が毎日2時間近くも残業しており、年間残業時間は、2019年の242時間から455 時間に跳ね上がっており、仕事中の会話や雑談の回数は減ったものの、勤務時間の削減にはつながっていないという。カジュアルな会話の代わりに不要なミーティングが発生するようになり、年間従業員1人当たり157時間が失われているという。

その他にも、主要な調査結果から、以下のようなグローバルな現状が分かったという 。

● 非現実的な期待値や不明確なプロセスが原因で、毎週4件当たり1件(26%) の割合で、期日への遅れが発生している。
● チームがすでに完了済みの仕事に重複して費やす時間は前年比で30%増加しており、その時間は新入社員では既存社員の2倍に達している。

● 勤務時間の増加に伴い、従業員4人中3人は、仕事からプライベートへの切り替えが困難な状態であり、10人中7人は、2020年に1回以上 バーンアウト(燃え尽き症候群) を経験している。
● 回答者の3分の2近く(62%)が 2020年にインポスター症候群(成功体験から自信を得ることが出来ず、自分を過小評価してしまう心理状態に陥ってしまうこと)を経験している。
● 世界各国で生産性の障壁となっている要因の上位3項目は、仕事量が多すぎること、返信を要するメール、メッセージ、通知の量が多すぎること、ミーティングやビデオ会議の数が多すぎること。

日本の従業員は、テキストによるコミュニケーションへの依存度が世界で最も高く、その結果、メッセージやメールが生産性を阻む一番の障壁となっているという。

Asana CEO、Dustin Moskovitz氏は「新型コロナウイルス以前には、業務の明確化と一体化を目指す動きが急速に進んでいました。チームが明確化を達成することは、オフィス現場においても困難が伴いますが、リモートワーク中には特に難しい課題です。今後、在宅勤務体制を継続する企業もあれば、従業員が職場に戻る企業もあり、またその中間のあらゆるワークスタイルを採用する企業もあるでしょう。 Asana は仕事をする場所に関わらず、それぞれの勤務環境のバリエーションに対応し、 チームワークにおける仕事の明確化を推進するための重要な役割を担っています」とコメントしている。