宮古島の新規感染、沖縄全体の4割に 人口10万人あたり東京の3倍 公共施設閉鎖、来島自粛も

 沖縄県は26日、10歳未満から90代以上の男女84人が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。そのうち宮古島市が34人(男性15人、女性19人)と4割以上を占めた。座喜味一幸市長は同日、市役所で会見し、公園や公共施設の閉鎖を発表した。市民の外出と島外渡航の自粛や観光客などの来島自粛も求め、「極めて危機的状況だ。法律上、ロックダウン(都市封鎖)はできないが、人の移動を制限する。市独自の緊急事態宣言と捉えて、命を守るために理解してほしい」と事実上の「封鎖」へ協力を強く訴えた。

 同市の26日までの直近1週間の新規感染者数は84人で、人口10万人当たりで151.11人に達した。都道府県別で全国1位の東京都は25日までの直近1週間で56.03人で、東京の約3倍に上った。

 宮古島市は「市民の外出制限を促す措置」として27日から市内の公園や図書館、公民館を閉鎖し、乳幼児検診や婦人検診を中止する。小中学校は原則、休校しないが部活動は停止。いずれも2月7日までだが、状況によって延長する。飲食店や宿泊施設、航空関係など人の移動につながる企業、団体にも「休業や減便などの協力を要請する」とした。

 宮古島市では1月に入って市中感染に歯止めが掛からない状況が続いている。26日までに135人の感染が確認された。福祉施設での20人超が関係するクラスターや市内小中10校で児童・生徒の感染による学級閉鎖が起きている。

 市唯一の感染症指定病院の県立宮古病院は連日、満床と病床拡大を続けており、26日からはコロナ対応の医師や看護師確保のため一般外来を中止した。

 座喜味市長は感染拡大の背景について「飲食や会食、カラオケによる感染から家庭や職場、学校へと感染が広がっている」と指摘した。「宮古病院の危機を克服するため、家族や友人を守るために、外出はできるだけ控え、人との接触を減らしてほしい」と強調し、3密回避や手指消毒、マスク着用の徹底を呼び掛けた。

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