西武を悩ませる「1番問題」の行方

辻監督は金子にリードオフマンを託す考えだが…

西武2年越しの懸案である「1番問題」に解決策は出て来るか。

不動のリードオフマン・秋山のメジャー移籍により苦しんだ攻撃面での課題。昨季は開幕時のスパンジェンバーグから終盤の金子まで計7人の野手が起用されたが、そのスポットに収まる選手は現れず、秋山の穴を埋めることはできなかった。

2番・源田と組む「1番問題」の長期化で1、2番の出塁率が上がらず本来ポイントゲッターである森、山川、中村らが時にチャンスメーカーとしての役割に追われ、役割の明確化が進まぬまま主力打者が同時不振にはまり込んでしまい、チームはリーグ3連覇どころか3位でCS進出すら逃した。

打線復活のカギを握るのは引き続き1番の固定であることは間違いない。2018、年に連覇を果たした西武打線の理想形は1、2番と5、6番あたりに足と小技の利くチャンスメーカー、つなぎの打者を配置し前後2つのクリーンアップが長打で走者を還す大量得点型だ。この役割の明確化が相手バッテリーにプレッシャーをかけ続け、前半の5点ビハインドを中盤から後半にかけて一気に追いつき、追い越すという大逆転劇を誘因していた。

すべては制約の多い1番に冷静で高い出塁率を誇る斬り込み隊長がいてこそ。辻監督は今年も「現時点では金子。(昨年終盤)徐々に自分の努力で、感覚的なものをつかんだと俺は思っている」と昨年に続いてポスト秋山の任務を9年目外野手に託す考えだ。

ただ、再び金子が同スポットにハマらなければ、課題の1番は猫の目となり、西武打線の迷走は続いていくことになる。

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