時短拒否で罰則「やり過ぎ」「補償足りない」/コロナ特措法改正案、青森県内飲食店の声

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日が暮れて、店に明かりがついても、人影がまばらな繁華街=26日夕、青森市本町(写真と本文は直接関係ありません、写真は一部加工しています)

 現在、国会で審議されている新型コロナウイルス特別措置法改正案は休業や営業時間短縮の命令を拒んだ者への罰則が盛り込まれている。青森県内の飲食店からは「納得できない」「やり過ぎ」と反発し、補償を求める声が上がった。一方、「やむを得ず従う」という声も聞かれた。

 「罰則までは必要ないと思うが、国で決めるのであれば従わざるを得ない」と話すのは県料理飲食業生活衛生同業組合の浪内進理事長。弘前料理飲食業組合の板垣重敏理事長は、罰則付きの時短営業要請に対し「会食をするのは昼だって一緒。やむを得ないかもしれないが、やり過ぎだ」とした上で「十分な補償も必要」と話した。

 八戸料飲組合の木村健一理事長は「罰則には納得できない」と強調。「各店は従業員を抱えており、特に大規模な店ほど大変だ。一律6万円では足りない。国が補償するなら、飲食店の売り上げ規模や従業員数などに応じて金額を決めるべきだ」と語った。

 客足が例年の半分程度で、売り上げがかなり厳しい-という八戸市三日町で居酒屋を営む男性は「営業時間の短縮要請があればやむを得ず従う。ただし、国などの補償がなければ従う必要はないとも思う」と述べ「きついのは家賃や借入金返済などの固定費。ここを継続して支援してもらいたい」と求めた。

 青森市内で複数の飲食店を経営する会社の社長は、売り上げが前年比で半分を切る状況を説明。テークアウトを始めたが、コストがかかるという。「法案に反対と言っても止められないだろう。決まった場合、どう対応するかを考えなければならない」と語った。

 以前は店舗で料理を提供し、現在は仕出し業に専念する同市の「新菜菜」の岩渕幸子社長は「首都圏では罰則を設けなければ収拾がつかなくなっているのだと思うと、なんとも言えない」と悩ましげに話した。

 一方、弘前市鍛冶町の「Dining Room UP(ダイニング ルーム アップ)」店主の中道勇輝さん(40)は「政府には国民の命を守る責任がある。本気でコロナを抑えたいという趣旨ならば、罰則措置も基本的には賛成」。ただ「売り上げが補償を大きく上回る店もある」とし、効果に疑問を呈した。

 五所川原市内で焼き鳥屋を経営する岩谷真次さん(38)は「昨年の全国での緊急事態宣言下では、コロナ感染が沈静化し、一定の効果はあった。やるなら全国一斉に行うべきだ」と持論を展開した。

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新型コロナウイルス特別措置法改正案 緊急事態宣言の前段階に当たる「まん延防止等重点措置」を創設。都道府県知事が事業者に時短などを要請し、正当な理由がなく応じない場合は命令できる。命令を拒んだ事業者への過料は緊急事態宣言下は50万円以下、まん延防止措置下は30万円以下と規定。立ち入り検査拒否には20万円以下とした。