減量での役作りが実り続々と映画賞を獲得する宇野祥平

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2019年12月16日から2020年12月31日までに日本で公開された優秀作品を表彰する「第44回日本アカデミー賞」の15部門と新人俳優賞の受賞者・作品が27日、発表された。

そのうち、11部門で12賞を獲得したのが、小栗旬が主演した「罪の声」。小栗が優秀主演男優賞を受賞したほか、妻夫木聡、渡辺謙らと並んで優秀助演男優賞を受賞したのが宇野祥平だ。

かつて日本を震撼させた昭和の未解決事件モチーフにした塩田武士さんのミステリー小説に基づく同作。宇野は悲運な人生を送り、物語のカギを握ることになる生島聡一郎役を好演した。

「もともと名脇役として知られていた宇野だが、撮影に向けて10キロ以上減量。あるインタビューでは減量した理由について、『心身ともに病んでいく聡一郎を演じるには今の自分の体重ではない、と感じた』と明かした。それほど入り込んでいる役だったからこそ、演技が最大限の評価を受けた」(映画担当記者)

高校卒業後、叔父の紹介で生花店で働いているときに、心から花が好きで花屋をしている店主に感化され、自分も好きなことを仕事にしようと考えて映画の道に進んだ。

大阪の専門学校の放送映画科に入学し、昼間はボートレース場で大型ビジョンに映像を映すアルバイトをして夜に学校に通い、その後に仲間と自主映画を制作するという生活を送った。

2000年の映画「絵里に首ったけ」で急に降板した役者の代役として俳優デビュー。2002年に上京して、録音スタジオの中にある喫茶店でアルバイトをしながら俳優を目指し、08年の「オカルト」で初主演を果たすなどしたが、以後、名脇役の道を歩み、今年は公開作5本が控える。

すでに、「第42回ヨコハマ映画祭」の助演男優賞、「第75回毎日映画コンクール」の男優助演賞、そして日本アカデミー賞を受賞。日本アカデミーでは最優秀賞の獲得に期待が高まる。

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