島の日常が一変、感染拡大が止まらない宮古島 PCR検査に長蛇の列 幼小中は一斉休校

 【宮古島】宮古島市では27日、33人の新型コロナウイルスの新規感染が確認された。感染拡大が止まらない現状を受け、市教育委員会は28日から市内全幼小中学校の臨時休校を発表した。市平良の県立宮古病院ではPCR検査のために市民が次々と訪れ、検査を待つ車列が病院敷地外にまで伸びた。市が26日に発表した公園や公共施設の閉鎖も始まり、島内の日常は一変した。

 臨時休校は2月7日までの予定だが、状況次第で期限を判断する。座喜味一幸市長は取材に「一斉休校で市民に大変な思いをさせるが、命を守るため医療崩壊を防ぐために協力してほしい」と訴えた。

 市教委によると、学校現場での感染は今月17日ごろから増加した。27日午前の時点で、市内小中29校のうち、半数の15校で90人以上が濃厚接触者となった。5校で10人の感染者が出た。

 27日、市役所で開いた会見で中尾忠筰教育長職務代理者は一斉休校について「校内クラスターの危険性があると判断した。子どもに不要不急の外出を控えさせてほしい」と呼び掛けた。休校中は課題を配布し、オンラインも活用しながら教育指導する。低学年児童の居場所確保、受験生などの学ぶ機会の保障などについて、個別の状況に合わせて各学校で対応するとしている。

 市内では、感染者の増加に比例して濃厚接触者もうなぎ登りで増えている。27日、宮古病院近くの車列は2時間近く続き、最大で約500メートル、約70台が並んだ。検査待ちをしていた男性は「もう島内どこで誰が感染してもおかしくない状況だ。今後、どうなるのか」とつぶやいた。宮古病院によると、25日までの直近1週間のPCR検査数は238件。県によると、26日には保険診療を除く行政検査を106件実施した。

 感染拡大の背景に、1月17日に投開票された市長選と市議補選の影響があると見る市民もいる。市内の40代の男性会社員は「那覇や県外から政治家が来ていたし、支持者内でも会合や会食などがあった。まったく影響がないとは言えないだろう」と語った。県は選挙の影響について、27日時点での市内感染者の中に選挙事務所とあるのは1人とした上で「投開票4日後の21日に発症した人もいる。可能性は否定できない。詳細データが上がってきたら分析する」とした。

© 株式会社琉球新報社