トランプ氏 フロリダにオフィス開設 逆襲ののろし上げる

トランプ氏

米国のトランプ前大統領(74)がこのほど、自宅のある南部フロリダ州に事務所を開設。2度目となる弾劾裁判では“前哨戦”で勝ちに等しい結果を得ており、2024年の大統領選出馬に向けたトランプ劇場第2幕が開こうとしている。

トランプ氏は25日に活動拠点となる事務所「オフィス オブ ドナルド J トランプ」を開設した意図について「米国の国益を促進し、トランプ政権時代の政策課題への取り組み継続のため、トランプ前大統領の今後の活動を管理する」との声明を発表した。

昨年11月の大統領選については、いまだに「盗まれた選挙」などとして敗北を認めていないが、声明では「トランプ前大統領はいつも、そして永遠に米国国民のために闘う」と結んでいる。

「6日の連邦議会議事堂への襲撃を扇動したとして、史上初めて2度目の弾劾裁判を受けることになったトランプ氏だが、いまだ全米での支持者は3割を超えると言われる人気ぶり。一部でトランプ氏が側近らと民主党、共和党に次ぐ第3極となる『愛国者党』の結党を協議したと報じられたこともあって、トランプ支持者たちは再び活気を取り戻し始めている」(在米ジャーナリスト)

逆襲を狙うトランプ氏を後押しするような出来事もあった。

2月9日に弾劾裁判が始まる上院では26日、共和党議員が提出した「退任して民間人となったトランプ氏を弾劾裁判にかけることは違憲」とする決議案が賛成45票、反対55票の反対多数で否決された。だが、その差は10票だった。

前出の在米ジャーナリストは「この結果は大きい。上院の議席数は民主党、共和党ともに50議席ずつで、弾劾裁判では3分の2以上の賛成がなければ弾劾できない。しかし、今回『このまま弾劾裁判をすべき』とする共和党からの離反者が5人にとどまったことで、弾劾裁判でも無罪になる公算が大きくなった」と解説する。

トランプ氏は今後、新事務所を通じて発信力を見せつけていくことになりそうだ。

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