東北電力ネットワークが大雪・暴風雪に伴う停電復旧対応について報告

東北電力ネットワーク新潟支社長の松坂英次氏

東北電力株式会社 新潟支店と東北電力ネットワーク株式会社 新潟支社は27日、定例会見を開き、先月(12月)および今月(1月)発生した大雪・暴風雪に伴う停電復旧対応について報告を行った。

東北電力ネットワーク新潟の支社長・松坂英次氏は、「年末年始の大雪や暴風雪の影響により新潟県各地において停電が発生した。停電が発生した地域の皆様には大変なご不便とご迷惑をお掛けしたことを改めてお詫び申し上げる」と陳謝し、大雪・暴風雪に伴う停電復旧対応結果について説明した。

◎2020年12月14日までの大雪対応

先月12月14日以降は強い冬型の気圧配置により、新潟県内全域で強風が吹き、湯沢町では24時間降雪量が観測史上1位を記録するなど山沿いを中心に記録的な大雪となった。県内で延べ31,069戸の停電が発生。17日の23時過ぎには、一旦停電は復旧したものの、その後も断続的に停電が発生し、20日の夜に全て復旧した。停電の主な原因として倒木による電線断線や樹木接触等。延べ稼働人員(応援舎)は約1,800人、応援人員(県内外)は約940人が対応に当たった。

◎2021年1月7日から8日までの暴風雪対応

1月7日からは発達した低気圧に伴い下越・県央エリアを中心に記録的な風速の暴風雪となり、県内で延べ88,474戸が停電し、8日の18時に全て復旧した。停電の主な原因は飛来物による電線、断線等。延べ稼働人員(応援舎)は約1,780人、応援人員(県内外)は約170人が対応に当たった。

◎2021年1月8日深夜から13日までの大雪対応

北陸地方を豪雪が襲い、上越・糸魚川エリアを中心に各地で24時間、48時間、72時間といった積雪量で記録を更新するなどまたも記録的大雪となり、8日の深夜から延べ23,573戸の停電が発生し、13日の夜に全て復旧した。停電の主な原因は倒木による電線断線や樹木接触等。延べ稼働人員(応援舎)は約4,130人、応援人員(県内外)は約880人が対応に当たった。

これらの対応について、「新型コロナウイルス感染症対策に万全を期した上で、県外からの応援を含み相当数の人員により復旧を進めた。また、倒木や積雪により工事車両が立ち入れないエリアもあり、停電の解消には長時間を要した場所もあったが、自治体などの関係機関と連携しながら復旧作業に当たった」(松坂氏)と話した。

◎冬季の安定供給に向けた取り組みについて

2005年の12月に下越地方を中心に雪害による約65万戸の停電が発生したが、その時の教訓を踏まえ、送電線設備において「塩雪害」(海塩粒子などを含む雪ががいしなどに付着し絶縁が低下しアースする減少)、「ギャロッピング現象」(電線に翼状となった雪が付着することで、強風下で電線の振動が大きくなる減少)の対策工事を行った。

対策として、従来では平常時に徐々に蓄積する汚損に強い「長管がいし」を使用していたが、2回線のうち片側1回線を塩雪害および台風等による短時間の汚損に強い「懸垂がいし」に変更した。また、「ルーズスペーサー」「相間スペーサー」を設置し、ギャロッピングの抑制や送電線接近を防止している。

◎停電の未然防止に向けた対応

ヘリやドローンを活用した巡視点検、冠雪落とし作業、電柱の傾斜や倒壊を防止するための支線掘り作業、高圧洗浄機で碍子(がいし)表面の塩分や塵を洗浄するなどの対応を日々行なっている。

◎引込線から火花が発生する現象について(トラッキング現象)

強風で飛ばされた木の枝や砂じん、氷雪が電線にぶつかることで、引込線の被覆に目に見えない程の傷がついてしまう。傷ついた箇所に強風によって運ばれた海水の塩分や粉塵とうが付着。雨などで湿気を帯びることで電気が流れ、火花が発生する場合がある。火花が発生した引込線は、直ちに張替工事を行うほか、強風の後はパトロールによる点検を行なっている。引込線やがいしから火花が出ているのを見つけたら、東北電力ネットワークコールセンターへ連絡してほしいという。

報告を終えて松坂氏は、「弊社では停電の防止に向けた様々な対策を行なっているが、全てを未然に防ぐことは難しい現状。万が一、災害等で大規模な停電となった際は早期復旧を図るため東北電力と一体となって作業を進め、県民の皆様の生活や活動に欠かせない電力の安定供給にしっかりと取り組んでいく」と話した。

東北電力ネットワーク:
東北電力ネットワークセンター:0120ー175ー366(24時間)

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