エンゼルスがバウアー争奪戦から撤退へ 先発補強は継続

ここ数年、エースの獲得を目指しているエンゼルスだが、有力な投手を獲得できず、1年契約で先発の頭数を揃える補強に終始している。ペリー・ミナシアン新GMを迎えた今オフは、ついにエース獲得が実現するかと思われたが、「ロサンゼルス・タイムズ」のマリア・トーレスによると、エンゼルスがトレバー・バウアーを獲得する可能性は「実質的にゼロ」だという。予算的な問題に加え、ミッキー・キャラウェイ投手コーチとの関係が良好でないこともバウアー獲得を妨げる要因となっているようだ。

今オフは「エンゼルス以上にバウアーを必要としているチームはない」と言われ、エンゼルスはバウアー獲得の本命に挙げられていた。しかし、ホゼ・キンターナを獲得したことで年俸総額はすでに1億8000万ドルを超えており、史上最高年俸(3600万ドル以上)を求めているとみられるバウアーを獲得するためにはぜいたく税の対象ラインを超過しなければならない。アート・モレノ・オーナーにぜいたく税を支払う意思があるかは不明だが、現時点の年俸総額からさらにバウアーの年俸分を上積みするのは現実的ではないだろう。

また、キャラウェイとバウアーの関係が良好でないこともエンゼルスにとって逆風となっている。先進的なアプローチを好むバウアーに対し、キャラウェイは「分析ツールはちょっとした後押しのために使用する」と話したことがあるように伝統的なスタイルの投手コーチである。2013年から2017年まで両者はともにインディアンスに在籍していたが、当時から関係は良くなかった。両者の関係について「修復不可能」と語る関係者もいるほどだ。

とはいえ、エンゼルスは現在も先発投手の補強を必要としており、ミナシアンは前任のビリー・エプラーのように1年契約での補強を目指すことになるとみられる。すでにキンターナを1年800万ドルで獲得しているが、少なくともあと1人、同様の補強を行うことになるだろう。残念ながら念願のエース獲得は今オフも実現しなそうだ。

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