災害に強く 交流の拠点に 佐々町新庁舎 23年度末に供用目指す

多世代が交流できる「丘の広場」のイメージ図(遠藤克彦建築研究所提供)

 長崎県北松佐々町は、庁舎の老朽化に伴い新しい庁舎の建設計画を進めている。敷地内にある町文化会館前の駐車場に建設を予定。災害に強く、町民に親しまれる庁舎をコンセプトに掲げる。2023年度末の完成、供用開始を目指す。
 現在の本館(3階建て)は1969年3月、別館(2階建て)は81年3月にそれぞれ完成。どちらも耐震性能が低く、災害時でも行政サービスを継続でき、防災拠点となる新庁舎の早期整備が課題となっていた。
 町の基本計画によると、新庁舎は、今の本館と別館の機能を集約して3階建てを想定。延べ床面積は約3800平方メートルで、現庁舎よりも約580平方メートル広くする予定。概算事業費は約25億円を見込む。
 基本設計と実施設計業務について、町は公募型プロポーザル方式で遠藤克彦建築研究所(東京)を選定。昨年10月、同研究所と橋本建築事務所(佐々町)の共同企業体(JV)と契約を締結した。
 同研究所は、六つの企業が参加した昨年9月の公開プレゼンテーション(2次審査)で、▽ハザードマップで浸水範囲となる敷地全体を最低500ミリかさ上げして防災拠点化を図る▽子どもからお年寄りまで多世代に開かれた丘の広場を庁舎前につくる▽丘の広場に面して多目的ホール「さざホール」を設ける-ことなどを提案している。
 JVは現在、基本設計に住民の声を反映させるためワークショップを複数回開催。基本設計は本年度末、実施設計を21年度に終え、22年度に工事着工する見通し。

現在の佐々町役場=佐々町本田原免

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