レムデシビルとの併用で新型コロナをほぼ抑えられる新薬候補物質を発見 国立国際医療研究センター

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 日本の研究チームが、新型コロナの既存治療薬との併用で、大きな治療効果をあげる可能性を持つ候補物質を発見したと発表した。世界で複数の治療薬の新型コロナへの転用、新薬候補物質の探索などが行われているが、特効薬になり得る物質の発見は初めてと言えるだけに、今後の研究進展が待たれる。

基礎的試験で、ウイルス増殖をほぼ完全に抑える結果

 成果を発表したのは国立国際医療研究センター研究所 難治性ウイルス感染症研究部の服部真一朗研究員らの研究グループ。研究グループではまず、新型コロナウイルスとほぼ同様の構造を持ち、過去に流行したこともある、いわゆる「SARS」「MERS」の原因ウイルスに着目。これらのウイルス増殖を阻害する効果を持つと知られていた化合物の中から、新型コロナウイルスにも効果が見込めるものを探索した。

 研究の結果、候補として「GRL-1720」「5h」の2つの化合物が浮かび上がった。どちらも単体でほぼ同じ程度の良好な結果が得られたが、「5h」に関しては、すでに治療薬として使用されている「レムデシビル」と併用した場合に、ウイルスの増殖をほぼ完全に抑える目覚しい成果を残したという。

 ただ今回の成果はごく初期の試験結果であり、実用化までには動物実験のあと複数の段階の治験を経る必要がある。研究チームでは治療薬開発を目指し研究を進めるとしている。

 なおこの研究成果は論文として、英科学誌「Nature Communications」に2021年1月28日付で掲載された。