寒波で卸高騰 110億円悪化 北電通期予想 4年ぶり減収減益

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 北陸電力は28日、2021年3月期の連結業績の予想を発表し、経常ベースで4年ぶりに減収減益となる見通しを示した。今冬の寒波による電力逼迫(ひっぱく)で卸価格が高騰したことや、新型コロナウイルスなどの影響を受け、経常利益は前年比で182億円程度減少する見通し。そのうち、卸価格高騰の影響は約110億円の減益要因となるとみている。

 富山市の本店で会見した金井豊社長は全国的な電力逼迫は原発の稼働が例年より少なく、LNG(液化天然ガス)の入手が遅れていたことが背景にあったと指摘。寒波で急激に電力需要が伸び、悪天候で太陽光発電も期待できない状態だったとした。

 北電は昨年10~12月の渇水で水力の発電量が減少したことに加え、敦賀火力2号機(福井県敦賀市、出力70万キロワット)が点検中で、必要な電力を卸取引所から調達せざるを得ない状況だったと説明。「さまざまな悪い条件が重なった」と振り返った。

 第3四半期(昨年4~12月)は4年ぶりの減収減益となり、経常利益は第2四半期(同4~9月)と比べて約90億円減少。通期予想も減収減益で、金井社長は「株主や関係者の期待に応えることができず、大変申し訳ない」と述べた。コロナの影響については、通期の経常ベースで55億円程度の減益要因とみている。

 第3四半期の総販売電力量は5.7%増の231億8千万キロワット時だった。

■12月電力需要 前年を超える  北陸電力は28日、昨年4~12月の北陸エリアの電力需要を発表した。4月以降、新型コロナウイルスの影響で産業用や業務用は毎月、前年の実績を下回っていたが、12月は初めて前年を超えた。

 工場などで使われる産業用の電力需要は5月に前年同月比13.9%減にまで落ち込んだが、8月以降は徐々に回復して12月は0.4%増。12月は商業施設などの業務用が5.6%増、家庭用は1.2%減となり、電力需要全体では前年を0.8%上回った。

 金井社長は「昨年末でコロナの影響がほぼなくなったと思っているが、再び出された緊急事態宣言の影響は見通しがつかない」と話した。

■志賀原発審査「大きな進展」  原子力規制委員会が今月に開いた北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)の新規制基準適合性審査会合について、金井社長は28日の会見で「資料ベースの説明内容に大きな異論はなく、理解いただいたと思っている。大きな進展あったのではないか」と述べた。

 規制委は会合で指摘した点に対する北電の回答を審査した上で、現地調査を行って断層の活動性の最終的な判断をする意向。金井社長は以前から現地調査の準備は進めているとした。

 志賀原発が停止して間もなく10年になることについて、金井社長は「ずいぶん時間がかかっている」と振り返った上で「なかなか見通しは立たないが、審査は着実に進展している」と話した。

会見する金井社長=北陸電力本店