「どこにいてもアップデート」 コロナ禍で帰郷したダンス、セルフケアインストラクター 荒牧美代子さん

ピラティスやフェイスエクササイズなどの指導者資格を持つ荒牧さん=長崎市内

 ダンスやセルフケアのインストラクターとして東京にいた昨年6月、新型コロナ感染拡大で数カ月間人に会えず、貯金や給付金も瞬く間に消えた。「ここを離れるべきか」。ぼうぜんとしながら考えていた。
 高校卒業まで長崎市で過ごし福岡での大学生活を経て、ミュージカルを学ぶため上京。歌やダンスのレッスンを受けながら、ピラティスなどの資格を取得し、講師の仕事をしていた。コロナ禍で唯一の恩恵は、世界の一流講師が開くオンラインレッスンに参加できる環境が一気に整ったこと。「田舎に帰ってもアップデートできる」。この確信が決め手になった。
 しかし、Uターンの準備を進めるうち、フリーランスの仕事では自治体の移住支援の対象にならない現実も知った。「移住は今後も増える。何か対策をしてほしい」
 同8月に帰郷。現在は市内のバレエ教室で開講し、東京時代からの生徒をオンラインで指導。「どこにいたって勉強はでき、自分も生徒に提供できる。東京と同じクオリティー、最新のレッスンにこだわりたい」。今後は誤嚥(ごえん)予防に役立つ「フェイスエクササイズ」などを長崎で広めたいと意欲を燃やしている。

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