石川県のご当地「ポン酢」どれが美味しい?

今年の冬は野菜が安いのもあって、2日に1回のペースで鍋を食べています。

とり野菜みそ、キムチ鍋、豆乳鍋などなど…。いろいろやるけど、結局は寄せ鍋をポン酢で食べるのが一番うまかったりするんですよね。

というわけで今回は石川県ならではのご当地ポン酢を集めて、実際に食べ比べてみました。

ちなみにポン酢の「ポン」って、なんの意味か知ってますか?

正解は、オランダ語で柑橘類の果汁を意味するポンス(pons)。筆者はてっきりポンカンの「ポン」だと思っていました。どっちも酸っぱいし。

それでは、石川県でつくられたポン酢を、ひとつずつ紹介していきます。

ヤマト醤油味噌「醤油ポン酢」

販売元:ヤマト醤油味噌(金沢市)
内容量:180ml
価格:648円(100mlあたり360円)

日本三大醤油の産地、金沢市大野町の醤油蔵でつくられたポン酢。糀を原料とした玄米甘酒が入っているのが特徴で、醤油や果汁、砂糖、酢などの原料はすべて国産にこだわっているそうです。ちなみに厳密にいうとポン酢は柑橘と酢でつくられたもので、こちらは醤油ポン酢と呼ばれています。

高野酢造「金澤ゆずポン酢」

販売元:高野酢造(鶴来町)
内容量:200ml
価格:540円(100mlあたり220円)

醤油や酢、日本酒など、県内でも醸造業が盛んなエリアとして知られる鶴来地区でつくられたポン酢。皮が厚く、香りが豊かな金沢産のゆず。伝統的な静置醗酵法によって醸造された純米酢。これらに国産の丸大豆醤油や粗糖が加えられています。

谷川醸造「能登ぽんず」

販売元:谷川醸造(輪島市)
内容量:145ml
価格:702円(100mlあたり約484円)

ベースとなるのは木桶でじっくり寝かせた醤油に、原木しいたけを漬け込んだしいたけ醤油。そこに「今川酢造」の純米酢や「福光屋」の純米本みりんなど、県内産の材料が加えられています。隠し味として、能登の発酵調味料いしりも使われているとのこと。パッケージもおしゃれ。

カネイシ「いしりポン酢」

販売元:カネイシ(能登町)
内容量:120ml
価格:540円(100mlあたり450円)

小木漁港で水揚げされた新鮮なイカを原料にしたいしりのポン酢。いしりとはイカやイワシの内臓を塩漬けして発酵、熟成させてつくった魚醤のことで、能登の伝統的な発酵調味料としても有名です。いしりと醤油に出汁の旨味、さらにリンゴ、ゆず、すだちの酸味がプラスされています。

直源醤油「源ちゃんのぽん酢」

販売元:直源醤油(金沢市)
内容量:300ml
価格:324円(100mlあたり約108円)

金沢市大野町で190年にわたって醤油づくりを続ける老舗のポン酢。昆布の風味を生かしたコクのある旨味とゆずの爽やかな風味が特徴です。オリジナルマスコットが描かれた、昔懐かしいパッケージもほっこりとさせます。

直源醤油「源助だいこんおろしぽんず」

販売元:直源醤油(金沢市)
内容量:200ml
価格:410円(100mlあたり205円)

こちらも同じく直源醤油のポン酢。ゆずとすだちをたっぷり使ったポン酢に、加賀野菜「源助大根」のすりおろしが入っています。色白で太く、シャキシャキとした大根ならではの食感が楽しめます。

気になる味は?湯豆腐と一緒に食べてみた

というわけで、実食開始。

比較方法は最初にポン酢をストレートでぺろり。それから湯豆腐につけて、食材との相性や風味を確かめます。食リポをお送りするのは、筆者(吉岡)と妻、林カメラマンの3人。ポン中を自称するほど、みんなポン酢が大好きです。

湯豆腐にするのは白山市「佐野豆腐店」のしらゆき豆腐。これがまた美味い!

ヤマト醤油味噌「醤油ポン酢」

吉岡:よくポン酢とごまだれをミックスして食べたりするんだけど、そんな感じに近いかも。豚しゃぶとかドレッシングに合いそう。

妻:発酵食らしい後味の豊かさもあるし、私は結構好きかな。ポン酢といわれると判定が難しいけど。

林:濃厚だね。旨味とコク。あとは甘酒らしい優しさも感じる。

高野酢造「金澤ゆずポン酢」

林:うん、フルーティー。ゆずって感じだね。頭の中でイメージするポン酢に一番近いかな。

妻:見た目は薄いけど味はしっかり。もっと酸味がキツイのかと思ったけど、意外とマイルドで甘さもある。

吉岡:高野酢造は自宅の近くにあるから気になっていたんだけど、これはリピートしたいかも。今度は純米酢も買ってみようかな。

谷川醸造「能登ぽんず」

妻:これ女の人は一番好きかも。しっかりとゆずの香りがするし、和食だけじゃなくて洋食にも合いそうな気がする。

吉岡:ゆずの香りはしっかりするけど、酸味はそれほどキツくないんだよね。すごくマイルド。飲める美味しさっていうのかな。

林:それでいて後味が爽やか。いしりが入っているみたいだけど、独特な風味も感じない。バランスが取れている証拠だよね。

カネイシ「いしりポン酢」

林:うーん独特な味だね。これは苦手な人は苦手かも。ちゃんと魚醤の匂いがする。

妻:お醤油みたいな味でポン酢といわれると違う気もするけど、私は嫌いじゃないかな。

吉岡:焼き魚にかけたり煮物の隠し味に使っても良さそう。というかクセになる味だね。むしろ好きかも。

直源醤油「源ちゃんのぽん酢」

吉岡:懐かしい味だ〜。酸味が抑えめで、ちょっと甘醤油っぽさもあるね。

妻:値段も安いし、これは普段使いできるポン酢。万能調味料としても重宝しそう。

林:うん、一番好き。香りもほどほどで、毎日食べても飽きない味っていうのかな。ちょっとこれ、持って帰っていいかな?

直源醤油「源助だいこんおろしぽんず」

林:大人な味がするね。シャキシャキした食感もクセになるし、これはこれでありだと思う。

妻:思ったりより酸っぱいけど、意外と湯豆腐にも合う印象。ポン酢というよりドレッシングかな?

吉岡:サンマの塩焼きにかけたら最高にうまそう。源助大根は甘味が強いから、柑橘の酸味をほどよく中和してくれるんだよね。

こうやって食べ比べてみると、意外と味に違いがあることが分かった地元のポン酢たち。鍋の種類や料理によって使い分ける、なんていうのもありだと思います。

(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)

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