認知症の高齢者、中3が保護 「安心できるよう」話し掛けながら警察署へ誘導 横浜

認知症の高齢男性を保護したとして渡邊署長から感謝状を贈られた照井さん(左)=緑署

 認知症の男性を保護したとして、神奈川県警緑署は27日、横浜市緑区に住む市立中3年の照井友樹さん(14)に感謝状を贈った。

 署によると、照井さんは20日午後6時ごろ、同区新治町の路上で友人とランニング中に、男性(81)から「小田急線の駅はどこですか」と尋ねられた。照井さんは近くに小田急線の駅がないことから不審に感じたが、最寄り駅への行き方を教えていたところ、男性の携帯電話に着信があった。

 男性の家族からで、照井さんが男性に代わって応答すると、男性は認知症で川崎市の自宅から同日昼ごろにいなくなり、家族が捜していることが分かった。家族に事情を説明し、男性を連れて緑署に向かうことにした。署までの1時間ほどの道のりを「男性が安心できるよう話し掛けながら」(照井さん)送り届け、男性は署で家族との再会を果たした。

 渡邊晴彦署長は「寒い中でそのままにしてしまえば男性に危険が生じた可能性がある」と照井さんの行動をたたえた。男性の家族から感謝の言葉を掛けられたという照井さんは「男性が無事、家族の元に戻ることができてよかった」と話した。

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