モデルとなった医師の子が撮影現場に 柄本佑「あの子に伝えたい」と演じる 「⼼の傷を癒すということ」

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「心の傷を癒すということ《劇場版》」の公開初日オンライン舞台あいさつが29日に行われ、主演の柄本佑とテレビ版総合演出の安達もじりが登場。撮影や作品への思いなどを語った。

キャスティングについて聞かれた安達は、「年・格好含めて一番信頼できる柄本さんにお願いしたいと満を持してお願いにあがりました」と話し、柄本は照れ笑い。NHK連続テレビ小説「まんぷく」で妻の安藤サクラと安達が一緒に仕事をしていたことから旧知の関係で、オファーがあったときには出演を即答したものの、距離感が近いだけに緊張したことを笑顔で語った。また、共演の尾野真千子とは付き合いが長いという柄本は、撮影現場でずっと尾野としゃべっていたことを明かした。

安達は、作品のモデルとなった安克昌医師の18歳となった子が撮影現場にスタッフとして参加していたことを明かし、「お父さんのことを覚えてない中で、自分のお父さんの知る時間になってくれたらなという思いもありながら。彼女が作品を撮ったときの心の支えであり、みんなが心を一つにできたというところがあります」と語った。柄本も「僕も安先生を演じながら、あの子に伝えたい、あの子にプレゼントしたいという気持ちを常に持っていて、スタッフもキャストもそういう思いを持っていたんじゃないかなと。だから非常に私的な思いで作品が作られていたなと思います」と撮影を振り返った。

本作のテーマである「寄り添うこと」については、2人ともその難しさを口にした。谷村美月演じる女性の話を聞く”寄り添う”シーンが一番難しかったことを語った柄本は、「傷は癒すんじゃないんだよね、癒えるんだよね」と安先生が語っていたというエピソードを挙げ、人それぞれ異なる”癒えるまでの時間”に寄り添うことの難しさに思い入っていた。

「心の傷を癒すということ」は、阪神・淡路大震災から25年を機にNHK大阪放送局で制作されたテレビドラマ。阪神・淡路大震災で自らも被災しながらも、被災者の「心のケア」に奔走した精神科医・安克昌さんの著書「心の傷を癒すということ 神戸・・・365 日」を原作としている。視聴者からの反響が大きく、「心の傷を癒すということ《劇場版》」として劇場公開される。

心の傷を癒すということ《劇場版》
2021年1月29日(金)新宿武蔵野館他全国ロードショー
配給:ギャガ
(C)映画「心の傷を癒すということ」製作委員会

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