「漁に出ても赤字」「自助努力限界」 コロナ資金繰り支援延長を 長崎市、経済団体と意見交換

新型コロナ問題に伴う各業界の要望などを聞いた意見交換会=長崎市筑後町、ホテルセントヒル長崎

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている経済団体と長崎市の意見交換会が29日、市内であり、農業、漁業、商工会など11団体の関係者が業界の窮状や資金繰り支援の延長などを訴えた。
 市が2月の定例市議会を前に、どういった支援が必要か把握するために開催。非公開で意見を聞いた。
 会合後、各団体の代表らが取材に応じた。JA長崎せいひの森口純一組合長は飲食店向けなど業務用の消費、需要が落ち込んでいるとし「まだ廃業は出ていないが、まず今を乗り切る財政支援を」と求めた。
 市漁協組合長連絡協議会の浅川勝会長は「コロナ前と比べ市内の漁協の取扱高は3~4割減った」と窮状を明かした。漁業者が手にした支援金は国の持続化給付金や国民一律に配られた10万円くらいだとして、「油代も出ないから漁に出ると赤字。生産意欲が出る対策や販売方法がないものか」と困惑。長崎港湾水産加工団地協同組合の渡邊英行理事長は「飲食店向けの販売が減少し、在庫過多で置き場にも困っている」と訴えた。
 長崎商工会議所の佐々木達也副会頭は「国の無利子融資の延長を要望してほしいと強く求めた。企業の自助努力にも限界がある」。県中小企業団体中央会は各業種の組合が会員。石丸忠重会長は「ホテル業界や商店街組合は加盟店が苦労しており、組合自体が存続できるのか」と懸念を示し、「対象に見合った支援を公平、平等、迅速にお願いしたい」と話した。
 田上富久市長は取材に「できるだけきめ細かく支援をしたいとあらためて感じた。(策定中の経済対策へ)収穫があった」と述べた。

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