【シリーズ 高齢者の住まいの選び方Vol.3】自立型のサ高住が支持される3つのワケ

連載企画『高齢者の住まいの選び方』では、高齢者向け住宅や老人ホーム等を紹介している「プラスライフ高齢者住まい相談室」にインタビューしました。

今号は、近年ニーズが高まっている「サービス付き高齢者向け住宅」(通称「サ高住」)の“自立型”について取り上げます。
自立型のサ高住とはどんな住まいなのか、プロの相談員に聞いてみました。

第3回『“自立型”のサ高住がシニアから支持される3つのワケ』

Q. “自立型”とはどんな住まい?

自立型サービス付き高齢者向け賃貸住宅『グランドマスト柳沢』

自立した生活ができるという点では自宅と同じではないかと思われるでしょうが、まったく違います。
自立型サ高住には、安心安全に暮らせるよう各種のサービス(安否確認、生活相談、緊急通報、食事などのサービス)があるからです。

さらに、ご自分の不安なところだけに「在宅介護サービス」(外部の介護事業所と別途に契約を結ぶ。介護保険も利用)の提供を受ければ、老後をいつまでも自分らしく過ごすことができます。

Q. なぜ“自立型”が選ばれる?

理由としては、次の3つが挙げられます。

➊親と子の「近居」が静かなブーム

かつては親と子の2世帯住宅が流行りましたが、今は親と子の「近居」が静かなブームを呼んでいます。

親世帯と子ども世帯では生活のリズムが違う、お互い気を使いたくない等の理由から「同居」は敬遠されがちです。

そこで、子どもたちが自宅近くの高齢者向け住宅に親を呼び寄せ、ほど良い距離感で暮らすことが好まれるようになりました。

東京、神奈川、千葉、埼玉エリアの自立型サ高住では、半数以上の方々がこうした「呼び寄せ」で入居しています。
なお、近距離とは電車で1駅くらい離れている(隣り町の)ケースが多いようです。

在宅介護サービスで“暮らしをカスタマイズ”

➋高額な入居金がなく、退去しやすい

サ高住の場合は賃貸借契約(入居一時金が不要)ですから、入居した後、もし気に入らなければ、ただちに退去できるところがユーザーから支持されています。

入居した後で、例えば他の入居者と相性が合わない、もっと良い施設が見つかった、手厚い介護が必要になったなどの問題が起きたとき、高額な入居金を支払っていませんので、別の施設へ移る際のハードルが低くなるのです。

➌安心安全な住環境がある

安否確認と生活相談、緊急通報などのサービスやバリアフリーといった安心安全な住環境があります。

やはり引越しをすると環境は変わるわけですが、加齢で身体が衰えても、前述のように暮らしのカスタマイズ(外部から在宅介護サービスを受けること等)ができますから問題ありません。

親はもちろんですが、親の老後が心配な子どもたちも安心することができると思います。

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