病児保育のネット予約導入 横須賀、キャンセル待ち容易に

病児保育予約システム「あずかるこちゃん」の画面(コネクテッド・インダストリーズ提供)

 横須賀市は、病気の子どもたちを預かる「病児・病後児保育センター」(同市上町)で、2月1日からインターネット予約を導入する。パソコンやスマートフォンで空き状況が分かり、24時間予約可能とすることで、保護者の利便性向上と利用拡大を目指す。

 ネット予約は、コネクテッド・インダストリーズ社(CI社、園田正樹代表取締役)が運用するシステム「あずかるこちゃん」を通じて行う。システムとセンターに利用登録すれば、いつでも空き状況の確認と予約・キャンセルができ、手書きで提出していた書類の一部もネットで申請できる。システム利用料は無料。

 同センターは市立うわまち病院の敷地内に設置。対象は病気や回復期で、保護者が家庭でみることができない生後3カ月から小学校6年生までの子ども。定員は5人で、看護師らが常駐している。

 市によると、2019年度の利用は延べ180人程度。予約などの連絡は電話のみで、キャンセルも当日午前7時半~8時の間に電話で受け付けている。そのためキャンセル待ちの保護者に連絡がつかず、結果的に空きが出てしまうケースもあるという。予約システムの導入で「使いたい人が使えないという状況を解消し、困ったときに活用してもらいたい」とする。

 また、システム運用を通じて市とCI社、東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学教室による共同研究も実施。利用した保護者にアンケートを行って課題などを抽出し、結果は他自治体とも共有する。CI社の園田さんは「病児保育の調査は少ない。どうしたら使いやすいかなどを分析し、得られた知見を広く活用してもらいたい」と話している。

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