<金口木舌>てだこのまちの審判

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 浦添市の伊祖旗頭保存会。勇壮な掛け声とともに持ち上げられる旗頭の頭(トゥールー)は、色鮮やかな太陽(てぃーだ)がイメージされたもの

▼母親が太陽を飲み込む夢を見て生まれたことから「太陽の子(てだこ)」と呼ばれた英祖が生まれた浦添。13世紀、税の制度を確立するなどして古琉球の礎を築いた

▼沖縄学の父、伊波普猷は「浦添考」で浦添が首里城ができるまでの琉球の首都と指摘した。資料館「浦添グスク・ようどれ館」に収蔵される中国の陶磁器や日本の鎧(よろい)などを見ると、かつての栄華に思いをはせることができる

▼浦添市は県内第4の都市。米軍牧港補給地区の返還をにらんだ跡地利用や2019年10月に開業したてだこ浦西駅周辺の開発など、未来の沖縄をけん引する可能性を秘める

▼2月7日に投開票される浦添市長選に向け本格的な選挙戦が展開されている。候補者は現職の松本哲治さん(53)と新人の伊礼悠記さん(38)。両候補とも「てだこの都市(まち)」の発展を訴え、支持拡大に奔走している

▼新型コロナウイルス感染拡大に伴う県の緊急事態宣言下での市長選は初めて。「3密」を避ける従来とは異なる選挙戦で投票率低下も懸念されるが、争点である軍港移設問題や新型コロナ対策への市民の審判が注目されている。現代の「太陽の子」たちが歩みたい未来を意思表示してほしい。