浦添市長選、両陣営が出陣式・出発式 支持者を前に熱弁振るう

 31日に告示された浦添市長選は、3期目を目指す現職の松本哲治さん(53)と、市政刷新を目指す新人の伊礼悠記さん(38)が立候補を届け出た。各陣営は同日朝、それぞれ出陣式・出発式を開き、候補者や応援弁士が支持者を前に熱弁を振るい、勝利を誓った。市議選も同日に告示され、市内は選挙カーが行き来するなど、選挙ムード一色となった。

<松本陣営>「市民党」掲げ一体感

 浦添市伊祖の選挙事務所で開かれた松本哲治さんの出陣式では、対決姿勢よりも「市民党」や「連帯」を強調した。松本さんは「誰かを批判する必要はない。ネガティブな言葉を使う必要もない。夢を語り、希望を語ろう」と繰り返した。

 シンボルカラーの緑の鉢巻きを締めた支持者たちはマスクを着け、間隔を空けながら集まった。応援弁士の金城泰邦前県議が「一番の課題はコロナ禍からの経済復興だ。その起爆剤が西海岸開発だ」と訴えると、支持者は「その通り」と応じた。

 最後に支持者が合言葉の「やっぱり松本」と声を上げると、松本さんが笑顔で訂正し「やっぱり浦添 みんなの浦添」とコール。「ワンチーム浦添」を掲げて一体感を打ち出した。

<伊礼陣営>市政刷新 熱く訴え

 那覇軍港の浦添移設反対を掲げる伊礼悠記さんは、移設予定海域に臨む、浦添市西洲の浜辺で出発式を開いた。イメージカラーのピンク色のスカーフを首に掛けた支持者らは間隔を空けながら砂浜に集まり、伊礼さんを激励した。

 市政の刷新を目指す伊礼さん。「市民のための政治を実現する。軍港建設は絶対に許さない」と力強く訴えると、支持者からは「そうだ」など声が上がり、熱気は一気に高まった。

 応援弁士の当山愛美さん(28)が「今の浦添市には人に寄り添える市長が必要だ」と訴えると、拍手と歓声が起こった。最後は「悠記」コールが上がる中、伊礼さんはピンク色の手袋で支持者とグータッチを交わし、遊説先へと向かった。

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