【店頭トレンド発信】北陸育ちのドラッグストア。クスリのアオキ、強さのヒミツを店頭スタッフが解析!

【2021.02.01配信】クスリのアオキというドラッグストアをご存じだろうか。1985年設立し、主に北陸3県、信越地方に出店。地域を絞って出店するドミナント戦略で今成長中のドラッグストアだ。2013年以降は毎年いずれかの都道府県に1号店をオープンし、出店エリアを拡大。ドラッグストア成長率ナンバーワンの企業として注目を集めている。北陸で成長してきたクスリのアオキの強さはいったい何なのか。実際に店舗に足を運んで見学し考察、都心のドラッグストアとの違いを比較する。(記事=登録販売者ライター・「梨さん」)。

1、ラインナップ豊富な売り場【「品揃え不足による不便はかけさせない」という店側の絶対的な意気込みを感じる売り場】

一番の強みは取り扱っている商品の豊富さだ。

クスリのアオキの出店範囲は郊外店が多い。駅前店と比較すると1店舗あたりの坪数も広く、その分商品も豊富に取り揃えられる利点がある。実際、いくつかの店舗に足を運んでみたが、大抵の買い物はここひとつで済んでしまうほどの品揃えの良さに大変驚いた。

食品コーナーでは弁当、軽食はもちろん、肉・野菜・果物の生鮮食品やお米、調理に必要なフライパンなどキッチン用品も販売。一部店舗では鮮魚の取り扱いもあるようだ。

飲料はケース売りコーナーが存在し、酒・清涼飲料水・お茶など様々な飲料がケースで売り場に置かれていた。壁はほぼ一面冷凍食品コーナーで埋め尽くされており、バリエーションの豊富さはスーパー並み、もしくはそれ以上であった。

非食品・雑貨コーナーでは見慣れた洗剤・化粧品の他に、児童本や雑誌などの書籍も販売。家計簿を買うためだけに店に訪れたお客さんもいた。また、インテリアショップにあるような収納小物も複数販売。ほかにも園芸用の土や除草剤、仏壇花まで売っているため、まるでホームセンターを連想されるような売り場である。

クスリのアオキの一番のポイントは「同じ商品のサイズ違い・色違いが豊富である」ということだ。駅前店などの店舗では売り場面積が小さい。置ける商品に限りがあるため、売れ筋やトレンドを考慮し、商品の品数を絞って販売しているところが多い。クスリのアオキでは広大な売り場面積を活かせるため、圧倒的な品揃えを実現できる。売り逃しも少なく、お客様からの「この商品も置いてほしい」という要望にも応えやすい環境である。

上記を踏まえた上で私がとても感心した売り場の一つが大人用オムツのコーナーだ。

2、還元率の高いポイント&プリペイドカードシステム【自治体の子育て支援事業に協賛。子育て優待パスポートを提示で1000円毎に10ポイント】

クスリのアオキでは従来のポイントカードを廃止し、2019年5月からAocaというポイントカードを採用している。

入会費&年会費無料、毎週日曜日と水曜日はポイント3倍(不定期で5倍)…ここまでは同業他社でも珍しくない。一番のポイントは「100円で1ポイント、500ポイントで500円券進呈、500円券×3枚で2000円券として使用できる」高還元の高さである。

品揃えの良さと高還元販促の相乗効果により「ポイントを貯めるために買い物をするのではなく、買い物をしていたらポイントが貯まっていた。」という環境をうまく作っている。また、ポイント高還元販促や支援事業へ積極的に参加している様子を見ると、地域に信頼されるドラッグストアを実現させるため、様々な視点から取り組んでいるのが分かる。
今後どのように広がりを見せていくのか期待大だ。

【最後に】

2020年6月、クスリのアオキは食品スーパーナルックスを買収。今後は鮮魚取り扱いに力を入れる方針だ。ヘルスケア部門ではイオングループが展開する医薬品のPBブランド「ハピコムグループ」に加入しており、ウエルシアなどでも取り扱いがあるPB商品を販売している。

関東地方(一都六県)では東京都と神奈川県のみ未進出であるクスリのアオキだが、出店ペースと加盟グループを考えるとそれぞれ1号店をオープンさせるのもそう遠くないだろう。

東京都ではウエルシアを始めとする多くの競合他社、神奈川県では同じく生鮮食品を扱い、プリペイドシステムを導入しているクリエイトSDが存在する。スーパーとドラッグストアの垣根がなくなりつつある今、どのように進化し、ドラッグストア戦国時代を生き抜くのか楽しみだ。

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