我々がこれまで知っていた大韓民国の法治を崩した『タブレット』に対する操作を明らかにする!|邊熙宰 「朴槿恵・チェスンシルゲート」は捏造されたと事件当初から主張し続けてきたメディアウォッチ代表顧問の邊熙宰(ピョンヒジェ) 氏。2月1日に発売された本が韓国で話題となっている。韓国政治の根幹を揺るがす「朴槿恵・チェスンシルゲート」の嘘と真実を暴いた本書の序文を紹介する。

タブレット(※1)で弾劾を撃つ

我々がこれまで知っていた大韓民国の法治を崩した『タブレット』に対する操作を明らかにする!

2016年10月24日、韓国の放送局JTBCによる「崔瑞原(チェ・ソウォン)(崔順実チェ・スンシルの本名※2)がタブレットPCを通じて、朴槿恵大統領(※3)から青瓦台機密文書を受けて国政を壟断した」というスクープ報道に端を発し、大韓民国では国民が直接選出した大統領が弾劾され、現在までに約4年間拘置所に入れられるという事態が起きた。

朴大統領が弾劾され、投獄された核心的理由は、崔瑞原と共謀してサムスン、SKなど大企業、K財団、ミル財団に出資を強要し、乗馬・競技用馬3匹(※4)の授受を受けたことなどである。しかし、憲法法院の弾劾審理過程でも、法院の刑事裁判の過程でも、検察側は「朴大統領と崔瑞原が共謀した」という確かな証拠を全く提出できなかった。国民は、ただ「崔瑞原がタブレットPCを通して国家機密を朴大統領から伝え受けた」という程度の認識に留まり、むしろ検察はこのような国民の認識を利用して、何と朴大統領に30年の求刑を下すに至ったのである。

契約者キム・ハンスを最初から除外する

しかし、タブレットPCは報道当初から現在に至るまで無数の疑惑に包まれた。タブレットPCやスマートフォンでも、所有者や実際のユーザーが誰なのかとなれば、キャリア代理店で直接契約した「開通者」を最優先に挙げる。JTBCと検察は、朴槿恵政府の青瓦台行政官キム・ハンスが2012年6月22日に直接、代理店で、当時自身が社長を務める会社(株)マレイ・カンパニーの名称で契約したと明かした。であるならば、当然タブレットPCの実際のユーザーとしてキム・ハンスこそ最優先に考えるべきであった。ところが、JTBCと検察は当初これらの合理的な仮定を排除したのだ。

キム・ハンスは検察と特検捜査に対して、「故イ・チュンサン補佐官(※5)の要求でタブレットPCを契約し、彼に渡しただけで、それ以降は分からない」と陳述。イ・チュンサン補佐官は2012年大統領選挙の直前、交通事故で死亡しており、真偽の確認ができない情況であり、検察と特検は無条件にキム・ハンスの陳述が真実であるかのように決めつけた。

「会社が口座振替した」はアリバイで、料金納付問題は無事通過

さらに問題は料金納付にある。たとえキム・ハンスが契約した後にイ・チュンサン補佐官に渡したとしても、毎月の使用料金は契約者が納付するか、あるいはイ・チュンサン補佐官が処理すべきだった。ところが、イ・チュンサン補佐官が料金を納付した記録はない。

これに対して検察とキム・ハンスは、「マレイ・カンパニーの法人カードで口座振替をしていたので、契約者キム・ハンスもそれ以降は忘れてしまった」という信じがたいアリバイを打ち出した。そして、実際に検察とキム・ハンスはマレイ・カンパニー法人の口座が記されているタブレット契約を朴槿恵大統領の裁判と私のタブレット裁判*に提出した。迂闊にも朴大統領の弁護団も私もこの事実について何の疑いもなく受け入れてしまったのだ(*タブレットPCの実ユーザーが崔瑞原ではなくキム・ハンスであり、タブレットはJTBCと検察を経て証拠が捏造、操作されたと主張して、JTBCと孫石熙《JTBC社長》等の名誉を毀損したという理由で、ジャーナリストである私は2018年5月に検察によって拘束起訴され、現在控訴審裁判中である。この裁判がまさに『タブレット裁判』である)。

しかし、私が1年余りソウル拘置所で事前拘束され、釈放された後、控訴審で再び精密に資料を検討した結果、異常な点を発見した。

利用停止記録発見、年間売上高は20億ウォンの会社が料金を滞納?

タブレットPCは料金が未納状態で、2012年9月10日から11月27日までの3か月間「利用停止」だったが、何者かが2012年11月27日午後1時頃に料金を納付し、利用停止を解除したのだ。そしてその後、直ちに使用した記録が、検察と国立科学捜査院のフォレンジック資料(※6)で発見された。

当時、キム・ハンスの会社(株)マレイ・カンパニーは、年間売上高20億ウォン台にも上っていた。一方、6か月(※7)もの間未納のタブレット通信料金は、せいぜい40万ウォンにも及ばなかった。月平均料金は、機器の割賦元金を含め約6万ウォン程度。会社法人カードで口座振替設定されたこの程度の金額が払えず、延滞されて利用停止となったとは信じ難い。

したがって私は、私のタブレット裁判控訴審法院に、一体誰が未納料金を一度に精算したのか事実照会した。前述したように、記録上、未納料金を納付し利用停止を解除した後、直ちにタブレットPCを使用していることが分かる。その利用者は、朴大統領の遊説資料をダウンロードするなどで使用しており、料金を納付した者がタブレットの実ユーザーであることが分っている。ちなみに、2012年11月27日、大統領選挙の運動初日で、朴大統領はこの日遊説を開始している。

料金納付者は法人ではなくキム・ハンス個人

最近、法院を介してタブレットPCが登録されたキャリア会社であるSKTから驚くべき連絡を受けた。問題の2012年11月27日、契約者キム・ハンスは自らの個人カードで滞納していた料金37万5,460ウォンを一度に納付したというのである。これにより、タブレットPCの実ユーザーの件は崔瑞原ではなくキム・ハンスだということが完全に確認されたことになる。

特にタブレットPCは、2012年の大統領選挙期間と政府業務引継ぎ委員会の期間のみ集中的に使用されていた。検察が、「崔瑞原がタブレットPCを介して受けた」と指摘した国家機密文書というものも、ほとんどがこの期間に作成されたものである。キム・ハンスは大統領選挙活動、業務引継ぎ委員会、青瓦台まで一貫して勤務している。タブレットPCを崔瑞原ではなくキム・ハンスが使用したと考えれば、ここに大統領選挙活動、業務引継ぎ委員会と青瓦台関連文書が含まれているのはあまりに当然のことである。つまり、タブレットPCを通じて崔瑞原が朴大統領から国家機密を渡されたという弾劾の大前提が崩れる。

料金を納付した事実を隠すキム・ハンスと検察、崔瑞原が使用したのではない

さらに驚くべきことは、検察とキム・ハンスはこの決定的な料金支払いの事実を故意に、組織的に、隠蔽してきた事実が発覚したことである。一旦検察は、タブレットの実ユーザーの決定的な手がかりになり得る2012年の料金の支払い明細書を隠蔽した。これにより、朴大統領側も私も皆タイムリーにこの事実を確認することが出来なかった。

また、2016年10月29日、金容帝検事はキム・ハンスを調査しながら、「このタブレットPCは選挙が終わった後でも最近まで開通状態であり、(株)マレイ・カンパニーでは陳述人(キム・ハンス)が退社した後も引き続き料金を負担していたものと考えられるが、その経緯はどうなっていますか?」と尋ねた。これに対してキム・ハンスは、「私もすっかり忘れて知らなかった。私が退社した後も、会社から私に解約を要求されたという事実はありません」と答えている。つまり、検事とキム・ハンスの両者は、キム・ハンス個人が料金を納付したことを全て隠し、まるで会社の法人カードで自動的に納付されたものであるかの様に偽調書を作成していたのだ。

キム・ハンスと検察が打ち出した唯一の根拠、偽造契約書

結論としてキム・ハンスの会社マレイ・カンパニーでは、タブレットPCの料金として1ウォンすら払ったことがない。契約書にそのように記されているだけで、実際の料金は全てキム・ハンスが個人のカードで支払ったのである。にもかかわらず、検察は最初からマレイ・カンパニーで料金が続けて支払われたかのようにキム・ハンスに偽証を教唆し、キム・ハンスもこれに歩調を合わせたのだ。これらの偽証は特検、裁判まで続き、検察の組織的操作として事件が拡大することになる。

さらなる問題は、タブレットPCの契約である。契約上明らかにマレイ・カンパニーの法人カードが支払い先として記録されているにもかかわらず、一体なぜタブレットPCの料金が支払われず3カ月間延滞となって、これをキム・ハンスが個人的に処理することになったかということだ。検察とキム・ハンスが新たに契約を偽造し、その後マレイ・カンパニーの法人カードを記したのではないかと疑わざるを得ない。そして、私は法院を介してSKTの契約書を全文見ることができ、やはり各種の偽造が大量に発覚したのだ。

キャリア契約書で明らかとなった別の2人のサイン

まず、総8頁の契約で、1頁と3頁のキム・ハンスのサインと2頁、4頁、5頁のキム・ハンスのサインの筆跡が全く違う。各種キャリアの販売店に確認した結果、単一の契約でサインが違うのはあり得ないという回答を受けた。常識的に、契約書に自分のものとは異なるサインが途中で混ざっている場合、後で顧客の立場で契約無効を主張することが出来るからである。別のサインが混じっている場合、販売店または本社で確認して正すのが正常である。

私は一つの契約書に異なるサインが混じった理由を、実際2012年6月25日の契約書にサインした人物がキム・ハンスではなく、彼の会社の職員であるキム・ソンテだったからだと推測した。検察で緊急に偽造した1頁と3頁の契約書にはキム・ハンスのサインが、残りは実際の契約者キム・ソンテのサインが残っていると推測している。

コピーしたが誤ってコピーした

当時キム・ハンスはマレイ・カンパニーの代表取締役、キム・ソンテは職員であった。代表理事が契約する際と職員が契約する際は、チェック項目と提出すべき書類も異なる。

代表理事が直接契約を締結した場合、「本人」にチェックが入っている必要があるが、契約書には「代理人」にチェックが入っている。職員キム・ソンテが作成した契約書を横に、検察とキム・ハンスはこれをコピーして偽造し「代理人」にチェックされたものも、そのまま書き移されたのではないか。

また、法人カードで決済することにした場合は、「税金計算書の発行」にチェックされることはない。そうなれば、今後二重課税の問題が起きる。しかし、この契約書には「税金計算書の発行」にチェックされている。即ち、キム・ソンテが作成した元の契約書は料金の支払い方法が法人カードで記録されておらず、「税金計算書の発行」にチェックしたことを検察とキム・ハンスがそのまま書き移し偽造が行われたのではないか。

代表理事が直接販売店で契約を締結した場合、提出の必要がない法人印鑑証明書も提出されている。これも元の契約者はキム・ハンスではなく、職員のキム・ソンテであるという有力な証拠である。

キム・ハンスが職員に契約させ、大統領選挙運動で使用した

私は直ちに法院に「登録の事実確認の連絡先」に記載されているスマートフォンの番号を事実照会した。タブレットPCを契約時、これを知らせる番号として契約しに来た「本人」のスマートフォン番号でこそ意味がある。キム・ハンスが契約したのならキム・ハンスの番号が、キム・ソンテが契約したらキム・ソンテの番号が、記されているはずだ。

結果は、予想通り、法院が通知してきた番号はキム・ソンテのものであった。これで、契約書は後日マレイ・カンパニーの法人カードで決済されたようにするため、検察とキム・ハンスが偽造したものであると証明された。キム・ハンスは特検と法廷で、自分が直接契約を書いたと証言したがこれは明らかに虚偽証言であった。検察とキム・ハンスは契約書の「支払い方法」を偽造することに集中したあまり、「登録の事実確認の連絡先」をキム・ハンスの番号に変えることにまで頭が回らなかった様だ。

契約書偽造に加担したSKT

これらの契約書の偽造に、キャリア会社のSKTが介入した事実も確認された。果たして、契約書通りにマレイ・カンパニーの法人カードで決済登録されたかどうかを確認するために、私はSKTはもちろん、カード会社ハナカード(※8)双方に事実照会をした。

2020年3月10日早くに裁判部に事実照会応答書を提出。ハナカードは返信書で、タブレット契約書に記載された(株)マレイ・カンパニー名義カード番号9410-5370-5833-8100の外換カードには、▲自動振替の設定履歴もなく、▲口座振替解約等の変動事項もなく、▲にもかかわらずカードの状態は、2012年6月から2013年2月まで「正常カード」だと回答した。

一方、SKTは一旦2020年3月3日に返信書を提出したが、これを再修正して送信するという奇妙な行動を取った。私の弁護人に伝達された返信書には「事件番号を誤って表記しました。再び修正してお送りいたします。添付資料は、既存のものと同じ内容で再添付しました。混乱をお詫び申し上げます。ありがとうございます」という文言が書かれており、この文書は4月9日裁判部で受付けられた。

顧客にわからない様に口座振替を解約することが出来る驚くべき会社SKT

その結果、ハナカードよりも1カ月程遅れての返信書で、SKTはタブレットPCの料金が(株)マレイ・カンパニーの法人カードで契約当時から口座振替設定され、途中で解約されたという記録を送ってきた。即ち、カード番号9410-5370-5833-8100の外換カードが2012年6月22日タブレット料金口座振替カードに設定され、約3か月後である9月28日に口座振替が失効されたというのがSKTの説明である。

辻褄が合わないのはSKTの記録である。SKTは2020年1月20日、事実照会返信書でタブレットPCの料金は開通以来、わずか1ウォンすら納付されなかったという記録を提出した。当時、年間売上高20億ウォン台規模で堅実な会社だったマレイ・カンパニーの法人カードの口座振替が設定されたとなれば、タブレット料金が支払われていない可能性は想像しづらい。

ハナカードに首根っこを掴まえられる

また、キャリアは料金が振り込まれていないからといって勝手に口座を解約したりはしない。口座解約は、加入申請者の要請があってはじめて行われる。

SKTは検察とキム・ハンスが偽造した契約書の内容通り、無理矢理マレイ・カンパニーの法人カードの口座振替が設定された記録を送ろうとして、ハナカードで首根っこを掴まえられたのではないか。

画像ファイルで確認すると、操作の痕跡を見つけることができる

このように、SKTまで介入して契約書等を操作した情況が確認されると、私は法院側にSKT契約書保管サーバーを調査することが出来るように、押収捜索命令を申請した。SKT契約書保管サーバーにこの契約書が保存された時点が契約日の2012年6月22日ではなくその後であれば、この契約は100%操作されたものと言える。(※9)

事態がここまで来ると、私は法院に検察が2016年10月25日タブレットPCフォレンジック検査をする際、作成されたタブレットPC全体の内容を確認することができる画像ファイル(※10)を提出することを申請した。実際、検察のフォレンジック資料とその約1年後、国立科学捜査員からフォレンジックした資料との間には、カカオトークのチャットルーム400以上が消える等、明らかな操作の痕跡が発見された。

核心証拠を出さない検察の行動

法院は、公判検査で金旻晶検事に意見を求め、金検事は反対せず「法院が判断せよ」(※11)という回答をした。法院は検察に「画像ファイルを被告に閲覧、コピーせよ」と命令した。検察は、48時間以内に被告にこれを許可しなければならなかった。しかし、検察は何と2ヶ月間も不法に時間稼ぎをして、最終的には「画像ファイル5つ中、4つが消えて1つだけ残っている」という意見書を提出した。これは明らかな証拠隠滅だった。さらに、その過程で、画像ファイルの閲覧、コピーを事実上許可した金旻晶検事はなぜか突然、休職届を提出し、公判検事が張旭桓検事に変わった。

これに対して、被告人たちは検察の画像ファイルはもちろん、国立科学捜査院の画像ファイル、そしてタブレットPC本体を検証すべきという意見書を提出した。すると検察は、これら全ての証拠資料を閲覧、コピーできないという最終返答を送ってきた。この事件と関連し、我々に諮問をして下さっている金仁星前漢陽大コンピュータ工学科准教授は、「タブレットPCを争点に扱う事件で、検察がタブレットPCに関連する証拠を全く出さないというのは聞いたことがない」として、タブレットPC捜査の段階で非深刻な操作が行われたのではないかと強く疑っている。

検察より先に契約者を把握していたJTBC

私は2018年5月29日、タブレットPCの実ユーザーが崔瑞原ではなくキム・ハンスであり、タブレットPCはJTBCと検察を経て証拠が捏造、操作されたと主張したという理由で、電撃的に事前拘束された。

最近発覚したタブレットPCの料金支払いと契約偽造以前に、当時検察は簡単な捜査でいくらでもこれらの事実確認をすることが出来たはずだ。ところが、JTBCは、タブレットの契約者がキム・ハンスが代表を務める(株)マレイ・カンパニーだという点を、検察より先に確認して報道した。JTBC側はキャリア会社であるSKT代理店に照会し契約者の情報を得たと主張したが、これは通信秘密保護法違反にあたる。

実際、JTBCの記者は契約者の確認方法について証言を拒否しており、SKTも「販売代理店から契約者を把握することは不可能だ」という立場を法院に送ってきた。

JTBCが契約者を把握できた唯一の方法、キム・ハンス

では、JTBC側が「開通者」を把握する唯一の方法は何か。開通者であり実ユーザー、唯一の料金納付者であるキム・ハンスから直接聞くことだけである。そうなると開通するや否やイ・チュンサン補佐官に渡し、自分は何も知らなかったというキム・ハンスのアリバイが崩れ、JTBCとキム・ハンスもやはり癒着、タブレットPCを崔瑞原のものとしてすり変えた嫌疑を受けることになる。

私は被告訴人として検察に出席した瞬間から、検察に捜査段階から、この件について確実に捜査していることを確認して欲しいと重ねて要請したが、検察はそのまま私を拘束した。もちろん、これに対する捜査は未だなされていない。

操作と偽りを量産した共犯たちの世界

この事件は、もはやに単にメディアのJTBCを超え、検察とキム・ハンスが癒着して証拠を隠匿、偽証を共謀した疑惑まで発覚している重大事件である。だから検察は、「タブレットPCに関連する証拠を一切提出できない」と言うしかないのが実情だろう。

私がタブレットPCの実ユーザーと操作に関連して、このような決定的な証拠を確保し記者会見等を通じて発表しても、大韓民国のいかなるメディアもこれを報道しない。メディアも、朴大統領の弾劾に関連し、無数の操作と偽りを量産した共犯たちだからか。

いまこそ、弾劾の開始と終了を再検討するより他ない

私は1年の収監生活を経て2019年5月に保釈された後、新たに発見されたタブレットPCに関連する証拠の記録を扱ったメディアウォッチの記事を集めて本書を発刊した。この本を読んで頂ければばタブレットPCの実ユーザーはキム・ハンスであり、検察はキム・ハンスと共にこれを崔瑞原のものとしてすり変えた仮説に十分同意出来るはずだ。

これを100%確認する方法は、タブレットPCの証拠を隠滅した検察、契約書の操作の嫌疑を捕らえたSKTの被告人が申請した押収捜索命令を法院が受容することである。

このように、タブレットPC関連の真実が全て明らかになると、果たして朴大統領と崔瑞原が何をどのように共謀したのか、およそ検察は何をどう捜査してきたのか、即ち弾劾の開始と終了を全面的に見直すより他ないであろう。(翻訳/黄哲秀)

(※1)『タブレット』が通用表現JTBCは2016年10月24日最初の報道では単に「崔順實のPC」と表現した。翌日「JTBCが報道した『PC』は『タブレットPC』を意味する「検察発の報道が出ると、この時からJTBCは『タブレットPC』という用語を用い始めた。以降、国内メディアは『タブレットPC』という厄介な表現を使用しているが、この本では本来通用してきた表現『タブレット』に正す。直接引用の際は例外とした。

(※2) 崔順實という名前は法的に存在しない。崔順實は崔瑞原氏の過去の改名前の名前である。メディアはこのような事実をよく知りながら、粘着性感を与える崔順實という名前を使用した。崔瑞原氏は2019年11月、国内93の報道機関に適法手続きと改名した名前『崔瑞原』を使って欲しいという内容証明を発送した。

(※3) 朴槿恵大統領はメディアの扇動と操作された証拠、違法な手続きによって弾劾された。タブレットPCはこのような違法な弾劾の出発点であり象徴である。タブレットPCの真実が弾劾と密接に関係しているので、全ての真実が明らかになるまでこの本では前大統領ではない、朴槿恵大統領と記述した。

(※4) 崔瑞原の娘、鄭維羅はアジア大会金メダリストで代表乗馬選手である。サムスングループは乗馬種目の発展のため、国家代表の馬購入費用を支援した。サムスンが鄭維羅個人に馬を支援したのではなく、馬の所有権も鄭維羅にはなかったが、法院はこれを不正請託賄賂だと判断した。

(※5) 朴槿恵大統領が国会議員となってから15年間補佐し、2012年12月大統領選挙最中に交通事故で死亡した。生前、キム・ハンスが含まれていた大統領選挙キャンプSNS広報組織を統括した。

(※6) このタブレットPCで検察は2016年、国立科学捜査院は2017年一次元的な形式的デジタルフォレンジックを行った。検察と国立科学捜査院は、タブレット実ユーザーが誰なのかさえ一切判断しなかった。邊熙宰とフォレンジック専門家はこの制限的なデータを掘り下げて、複数の重要な操作手がかりを見つけた。

(※7) 2012年6月から11月まで。始めの3ヶ月は料金を支払わなかったが、利用は可能だった状態。9月からは利用停止状態であった。

(※8) ハナカードは、2014年の外換カードを合併した。タブレット契約書に記された外換カード番号は、現在ハナカードで事実照会可能である。

(※9) キャリア代理店は新規契約書を作成すると原本をスキャンして、本社のサーバーに送信することになっている。

(※10) デジタルフォレンジックは、押収物の内容全体をコピー化(イメージング)したファイルで進行する。押収物(原本)の整合性を保存するための措置である。

(※11) 検察は通常、「適宜処理することが相当である」と表現する。

邊熙宰(ピョンヒジェ)

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