『2021年・特別な節分』(1)ひと足早く「福豆“配り”」明けない夜はない!~大阪・通天閣 

2021年、「いつもと違う、特別な節分」。「節分」は例年、2月3日だったが、2021年は2月2日。2月2日の節分は、1897(明治30)年以来124年ぶり(3日が節分でないのは、1984(昭和59)年2月4日以来、37年ぶり)。 さらに今年は新型コロナウイルスの感染拡大が影響し、密集を避けるため、各地の寺社は境内での豆まきの催しを相次いで中止した。

通天閣恒例「福豆巻き」紅ゆずるさん (手前・元宝塚歌劇団・星組)桑野藍花さん(左・松竹新喜劇)竹下健人さん(右・劇団patch)

こうした中ひと足早く、大阪・新世界の観光名所「通天閣」(大阪市浪速区) で1日、 人々の幸福と繁栄を祈願して執り行う「節分福豆まき」ならぬ「福豆配り」が行われた。

恒例行事も今年は特別
幸運の神様・ビリケンさんにあやかって…

今年で 65 回目の恒例行事。 例年は各方面で活躍する著名人が、通天通天閣特別屋外展望台と一階正面玄関前で、福豆袋に入った落花生約5000 袋(重さ100kg分)をまくが、 今年は新型コロナウイルス感染拡大防止対策の取り組みとして、 非接触で約1000 袋(重さ約20kg分)に、ビリケンさんの「福」を込めて配った。

紅ゆずるさん 宝塚歌劇団退団後、初の主演舞台を4月に控える
「福豆配り」アクリル板のパーテーション越しに

■「エンターテインメント、今こそ夢を与えたい」~元タカラジェンヌ・女優 紅ゆずるさん

アンタッチャブル・ビューティー ~浪花探偵狂騒曲~(大阪松竹座・4月16日 初日~26日 千穐楽)に、退団後初主演する宝塚歌劇団・元星組の紅ゆずるさんはラジオ関西の取材に対し「コロナ禍の前は、舞台や映像などの娯楽が当たり前でした。生で見る尊さ、舞台に立つ者、観劇する方々も生で1つの空間を共有できるのが醍醐味だと思います。後輩のタカラジェンヌたちも含め、日常が日常でない日々、本当に辛いと思います。だからこそ、1回1回の舞台をどこまで全力で表現できるかが大事です。今、不要不急の外出が制限されていますが、心を潤す、明日への活力となるエンターテインメントの世界に不要はないと思うのです。特にこの時期、お客様は命がけで劇場へ足を運んで下さる。そうした方々へ夢を与えられる舞台人でありたい」と抱負を語った。

「明けない夜はない」通天閣南側に大きなメッセージ

■「希望の光を照らす存在、『明けない夜はない!』が合言葉~通天閣観光社長・高井隆光さん

通天閣は新型コロナウイルス感染症の大阪府独自の指標「大阪モデル」の「非常事態」を示す赤信号でのライトアップをした時期も。運営する通天閣観光・高井隆光社長は「折しも関西3府県に再発令された緊急事態宣言の延長が濃厚とされ、おうちを出ても、密になるのではないかという不安の中、豆配りで少しでも来て良かった、元気をもらったと思っていただければ。通天閣の窓にも『明けない夜はない』というメッセージを掲げていますが、これからは希望の光を照らしつつ、全国のみなさんにこの思いを伝えていきたい」と話した。

◇『2021年・特別な節分』 2月2日は(2)「タカラジェンヌのいない星祭・節分会(せつぶんえ)」~中山寺(兵庫県宝塚市)から。

© 株式会社ラジオ関西