高級ホテルで知られる帝国ホテル東京が1日から予約をスタートさせた「サービスアパートメント」事業が話題だ。
99室を居住用に確保し、帝国ホテルに住めるという新事業で、3月15日から7月15日まで、5泊からの短期、長期居住が可能。料金は約30平方メートルのスタジオタイプの部屋で5泊15万円~1か月36万円(サービス料、税込み)。料金には共有スペースでの朝食のパンや駐車場、ジム・プール・サウナ、ミーティングルームなどの料金も含まれる。
有料の定額ルームサービスの食事が月6万円、ランドリーサービスが月3万円で付けられる。
30平方メートルの部屋の宿泊正規料金は1泊6万円。居住の場合、清掃やアメニティーなどのサービスの違いがあるため、一概には比較できないが、不動産関係者は「周辺の家賃相場でいえば、同じ広さで月50万円前後。帝国ホテルの建物、設備を考えると、1日1万2000円で住めるのだから、かなりお得」と語る。
同ホテル広報課の担当者は「昨年春から構想し、準備してきた新事業です」と胸を張り、経緯をこう話す。
「海外からのお客様がいらっしゃらなくなり、例年通りではなく、これからの時代に柔軟に対応したサービスが必要。ホテル業界はどこも大変ですが、恐縮ながら、リーディングカンパニーとして新事業をやるべきだと考えました」
昨年創業130周年を迎えた同ホテルはこれまでにもレストランの「バイキング形式」や、ランドリーサービスなど、発祥となったサービスを生み出してきた。いわば、コロナ禍の老舗高級ホテルとしての使命感があるというわけだ。
インターネット上では「あの帝国ホテルでも通常営業ではやっていけないのか~」などの同情の声があるが、同担当者は「財務状況は大丈夫です。これまでの歴史を振り返っても、岐路に立った時、次の時代に向けて、お客様のニーズに応じたチャレンジをするという意味で、前向きにとらえています」と話している。
この新事業には元「2ちゃんねる」管理人で実業家のひろゆき氏(44)がツイッターで「日本の物価、安過ぎない?」と反応するなど、著名人の間でも話題になっている。