「もっともっと振らないと」鷹の選手会長・中村晃が求めていた〝小久保の風〟

ロングティーで汗を流したソフトバンク・中村晃

5年連続日本一を目指すソフトバンクは1日、宮崎・生目の杜運動公園でキャンプイン。「1日1000スイング」のノルマを掲げる新任の小久保裕紀ヘッドコーチ(49)が精力的な動きで新たな風を吹かせた。

他球団から徹底マークを受ける2021年シーズン。さらなる高みを目指す上で、小久保ヘッドがもたらす化学反応に期待する声は多い。選手会長・中村晃外野手(31)も初日から「引き締まった空気」を感じ取り、歓迎した。「僕は現役の頃からお世話になっている。厳しいこともたくさん言われた」。

小久保ヘッドが現役時代に行っていた米アリゾナ州での自主トレにも帯同した経験があり「言葉というか、人間としての気遣いとかをたくさん教えていただいた。妥協を許さない人でしたし、自分にもすごく厳しい方だった。それを見習って選手生活を送ってきた」。

チームを束ねる立場となって痛感するのは「やっぱり厳しさはすごく大事」ということ。「後輩に厳しいことを言うには自分もしっかりとしないといけない。小久保さんのそういう所がすごいなと思った」。同じをユニホームを着たことで改めて背筋が伸び、常勝軍団の一員としての使命感と伝統継承の思いが強まっている。

早速、この日の練習ではスイング量の絶対数のアップを実感。「全体練習は増えましたね。それでも、もっともっと振らないといけないと思っている」。師匠の背中を見てきた男は、自ら現場で意図を汲み取り、教えを体現するつもりだ。

中村晃は今季の目標に「全試合出場」を高らかに掲げ「キャンプは質も大事だが、走ったり、投げたり、打ったりと数も大事になってくる。しっかりと下準備をしていきたい」と鼻息も荒い。強く洗練された組織において、耳の痛いことを言える人間は不可欠。背番号7が鷹の鑑となり、先頭でけん引する。

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