エンゼルスの先発ローテ完成か オリオールズ右腕獲得へ交渉中

「ジ・アスレチック」のダン・コノリーによると、エンゼルスは先発右腕アレックス・カッブの獲得に向けてオリオールズとトレード交渉を行っているようだ。エンゼルスは先発6枠のうち、ディラン・バンディ、アンドリュー・ヒーニー、ホゼ・キンターナ、グリフィン・キャニング、大谷翔平ですでに5枠が確定しており、カッブの獲得に成功すれば、2021年シーズンの先発ローテーションが完成することになりそうだ。

現在33歳のカッブは、2018年3月に4年5700万ドルの好条件でオリオールズに加入。今季が契約最終年となっている(年俸1500万ドル)。レイズ時代に4度の2ケタ勝利を記録した実績を持つが、オリオールズ移籍後は低調なパフォーマンスが続いており、昨季は10試合に先発して52.1イニングを投げ、2勝5敗、防御率4.30、38奪三振に終わった。エンゼルスは昨オフ、オリオールズからバンディを獲得して成功を収めており、その再現を狙っているのかもしれない。

トレード成立には越えなければならないハードルがあり、まずカッブの契約のなかには10チームに対するトレード拒否権が含まれている。エンゼルスがそのなかに含まれているかは不明であり、それに加え、エンゼルスが拒否対象チームの場合、カッブがトレード拒否権を破棄してエンゼルスへ移籍することを受け入れる意思があるかどうかも現時点ではわかっていない。

また、オリオールズ移籍後3年連続で低調なシーズンが続いているカッブに年俸1500万ドルを支払うのは割に合わないため、トレード成立のためにはオリオールズが年俸の一部を負担することが必要だ。年俸負担についても現時点では情報がなく、両チームのあいだで交渉が行われているとみられる。

カッブのトレードが成立すれば、エンゼルスは先発の頭数が揃うだけでなく、年俸総額がぜいたく税の対象ラインにさらに近付くため、「実質ゼロ」と言われているトレバー・バウアー獲得の可能性は完全に消滅することになるだろう。

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