仙台市の給食「栄養不足」解消遠く 値上げも学校間で改善状況に差

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 仙台市教委は1日、市立小中学校が昨年11月に提供した給食の主な栄養素10項目を調べた結果、小学校は3項目、中学校は4項目で充足率が100%未満だったと公表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時休校の影響を受けた6月時点と比べると、充足率はわずかに改善したものの、「栄養不足」問題の解消には至っていない。
 小中学校の6、11月の栄養充足率(全市平均)は表の通り。小学校は鉄、ビタミンB1、食物繊維、中学校はカルシウム、鉄、ビタミンB1、食物繊維が摂取基準に達しなかった。
 栄養不足の項目は6月と変わっていない。鉄が小学校で8ポイント、中学校で6ポイント上昇するなど各項目とも改善傾向にはあり、充足率はいずれも90%以上になった。
 市教委は昨年4月、栄養不足解消のため、給食費を小学校は1食につき45円、中学校は55円、それぞれ引き上げ、鉄分入りヨーグルトなど栄養強化食品の使用容認に初めて踏み切った。
 市教委によると、魚の切り身や果物のサイズを大きくしたり、デザート回数を増やすなどして充足率の向上を図った。ポークカレーの豚肉をレバーに代えて鉄分を増量し、マーボー豆腐などに砕いた豆を入れ、食物繊維の摂取を増やした。
 ただ、給食センターや単独調理校の栄養士が、栄養強化食品をなるべく使わない献立を目指したため、充足率の劇的な改善には至らなかった。新型コロナの影響で栄養士が情報共有や献立研究する機会が奪われ、学校間で充足率の改善に差が生じてしまったという。
 新年度は食物繊維の摂取量をさらに増やすため、麦ご飯の麦の割合を8%から10%に増量。購入する肉団子は鉄やカルシウムを多く含む商品に切り替える。
 調査結果は学校給食運営審議会に報告された。目黒悟会長は「あと一歩で、まだ工夫が必要。給食費を引き上げた以上、全項目で100%を達成しなければいけない」と努力を求めた。

仙台市学校給食の「栄養不足」問題 市立小中学校の給食の栄養量が2018年10月調査で、国や市が定める摂取基準を満たしていないことが判明した。小中学校ともエネルギーや鉄、ビタミンB1、食物繊維などの充足率が100%を下回った。価格高騰で栄養量を満たすだけの食材が手に入らないことが要因とされ、市教委は20年4月から給食費を引き上げた。