ソフトバンクの大砲候補・リチャードに王球団会長が〝モーレツ指導〟

王球団会長(奥)が見守る中、ロングティーを行ったソフトバンク・リチャード

今季こそロマンあふれる長距離砲の「覚醒」なるか。ソフトバンクの大砲候補・リチャード内野手(21)が2日、王貞治球団会長(80)から付きっきりでのマンツーマン指導を受けた。

メイン球場での打撃練習中のこと。ティー打撃を行っていたリチャードの元にゆっくりと歩み寄ったのが王会長だった。身振り手振りを交えての力のこもった指導。本来なら5分ごとのローテーションで選手は打つ場所を移動することになっているが〝王・熱血指導〟は終わらない。そのままの位置で15分間、ティー打撃を続けながら直接指導を受けた。

リチャードによると「パワーで振るんじゃなくて、もっと速く素振りできるように。手を素早く動かすように」とのアドバイスをもらったという。その後のロングティーで実践したところ、十分に飛距離が出て王会長からも「そんなんで行くんだから、それくらいで振ればいいんだよ」と声をかけてもらったとか。合計20分強の充実した特別講義に「明日も意識してやっていきたい」と笑顔を浮かべた。

育成選手の時代から王会長に大きな期待をかけられ、一昨年の台湾ウインターリーグで2冠王に輝くと、ご褒美として分厚い束になった図書券を贈られている。昨季はオープン戦終了後に育成から支配下に昇格。一軍出場はなかったが、ウエスタンで本塁打と打点の2冠に輝いた。待望の大砲候補として今季は飛躍を目指す一年にもなる。

この日は小久保ヘッドコーチの方針であるノルマの1000スイングをクリア。マメができて皮が破れた左手を見つめて「右にできてないだけ自分はうれしいです。初めて左にできたので」と笑顔を浮かべたリチャード。多くの期待に応える〝孝行息子〟となれるか。

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