STEAM教育の拠点開設 長崎市内、受講生を募集

大学教員らが講師を務める長崎STEAMセンター=長崎市、中通り商店街、めがね橋LOGIC

 問題解決力や創造力をはぐくむ「STEAM(スティーム)教育」を実践する場が今月、長崎市中心部に開設された。子どもたちは大学教員や民間企業のIT技術者の指導で、プログラミングや数学、統計学など将来必要な素養を身に付ける。地域の情報収集・発信にも取り組み、地元活性化につなげる。
 STEAMはサイエンス(科学)、テクノロジー(技術)、エンジニアリング(工学)、アート(芸術・教養)、マス(数学)の5知識を重視する人材育成の理念。米国で始まった理数教育に創造性教育を加えて普及し、文部科学省も導入方針を示している。
 拠点名は「長崎STEAMセンター」。同市古川町の中通り商店街にある町家風の複合施設「めがね橋LOGIC(ロジック)」に入居した。長崎大経済学部教員らでつくるベンチャー「出島リサーチ&コンサルツ」(DRC、須齋正幸社長)が設置し運営。市内に進出したIT系のシーエーシー(東京)とビーウィズ(同)、地図大手ゼンリン(北九州市)の誘致企業3社がプログラム提供や講師派遣で協力する。
 小学校低学年にはeスポーツを無料で親しんでもらう。眼鏡橋や寺町通りなど歴史と文化があり、商店も集積した土地柄を生かし、小学校中学年以上の初級は地域情報を「調べる」「まとめる」「発信する」を学習。中級はパソコン操作の基礎からプログラミングまで、中学生以上の上級は統計やデータ処理、応用数学などを学ぶ。センター長の前原成美さんは「企業の最新プログラムを提供できるのが強み」と話す。
 受講生を募集中。初級以上はいずれも定員4人、全4回、受講料8千円。説明会を6日午後1時半と同3時、7日午前9時半と午後4時半から各1時間程度開く。参加は同センターのホームページから申し込む。

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