ソフトバンク・小久保ヘッドが若鷹に課す〝一流の条件〟

工藤監督(手前)と意見交換する小久保ヘッドコーチ

若鷹よ、オーラを身にまとえ! ソフトバンクの小久保裕紀ヘッドコーチ(49)が「1日1000スイング」のノルマで鍛え上げている若手野手陣に、さらなる注文をつけた。

3日でキャンプ第1クールが終了し、9年ぶりに復帰した小久保ヘッドは「練習を見ていて気付いたのは、数を振らす目安は出したけど、振っている姿に主力選手にあるゾーンというか、一人の時間の大切さ、取り組みが持てていない若手選手が多い」と率直な思いを口にした。

一体、どういうことか? 小久保ヘッドが求めているのは「コーチ陣も声をかけにくいような練習の雰囲気」で「ゾーンに入って『これを習得しようとしているな』というような突き詰める姿。教えられるものではないが、若い選手には作り上げてほしい」と訴える。

自身も現役時代には強烈な雰囲気を発出していた。当時を知るチームスタッフは「とてもじゃないが練習中に話しかけられる雰囲気はなかった。練習が終われば普通なんだけどね。自分の世界に入り込み『絶対につかむんだ』という集中力がそういうオーラのようなものになるんだと思う」と証言する。

ベテランは心配していない。「長谷川とか当然そういう雰囲気あるじゃないですか。川島も、僕がティーを上げても自分の世界がある。職人の技を磨いていく、追求していくというところにつながると思う」と小久保ヘッドは言う。

4年連続日本一のソフトバンクは今年もリーグVの筆頭候補。ただ、巨人のV9を超えるためには若手の台頭は欠かせない。常勝軍団は一流の集まりであるべき――。小久保ヘッドの辞書に「妥協」の2文字はない。

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