全国農業関係高校エッセイコンテスト 上夷さん(諫早農高)最優秀賞 「放置竹林問題知る機会に」 石丸さん佳作 対州蕎麦の研究

最優秀賞を受賞した上夷胡桃さん(右)と、佳作入賞した石丸陽翔さん

 第12回全国農業関係高校エッセイコンテスト(日本農民文学会など主催)で、長崎県諫早市立石町の県立諫早農業高食品科学科2年の上夷(かみえびす)胡桃さん(17)の作品「『放置竹林』解決のために私達にできること」が、最優秀賞に輝いた。またバイオ園芸科2年の石丸陽翔(ひう)さん(16)の作品が佳作に選ばれた。
 上夷さんは、放置竹林対策としてシイタケの菌床栽培に竹の粉末を使う利用法についてつづった。竹の成分が菌床栽培で使用する米ぬかと類似することが授業で分かり、部活動の食品科学部で研究に取り組んだ。
 エッセーでは、全国の放置竹林が本県とほぼ同じ面積に相当し、里山の浸食や土砂災害につながっていると指摘する。竹の粉末の利用でシイタケの成長が早くなることや、カビや雑菌が少なくなることも紹介。環境問題の解決の糸口になってほしいと結んでいる。
 上夷さんは、取材に対し「全国の人に放置竹林問題を知ってもらえる機会にもなり、受賞はうれしい」と話した。
 石丸さんは、対馬でのみ栽培される対州蕎麦(そば)などの研究を通し、貴重な自然をイノシシなどの食害から守るために今後も活動を続けていきたいとつづった。
 コンテストは2009年から毎年開かれ、今回は全国から30点の応募があった。上夷さんのエッセーが掲載された機関誌「農民文学」は日本農民文学会のホームページで注文できる。1冊1100円。

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