(株)イードアと新潟大学が起業家育成プロセスのモデリングに関する共同研究契約を締結

株式会社イードア×新潟大学

株式会社イードア(東京都)は、「意思決定の支援を通じて社会の進歩発展に寄与する」という理念のもと、新産業創出と既存産業の成長支援を行うべく、企業向けのコンサルティング事業を展開している。2010年の設立以来、これまで1700社を超える企業経営者にサービスを提供し、2020年10月には新潟駅前のイノベーション拠点NINNO(ニーノ)に新たな拠点を開設した。県内企業の経営企業の経営課題解決支援(事業承継・DX・イノベーションなど)のほか、起業家育成や起業家エコシステムの醸成に取り組んでいる。

新潟進出直後の12月25日には国立大学法人新潟大学(新潟市)と起業家育成プロセスのモデリングに関する共同研究契約を締結した。この度の締結により、イードアが運営する企業家・経営者の生き方を研究するメディア「Focus On(フォーカスオン)」と新潟大学はアントレプレナーシップ(企業家精神)を育むための意思決定研究を産学共同で開始する。

企業家・経営者の生き方を研究するメディア「Focus On(フォーカスオン)」

Focus Onでは、これまで累計約70名の起業家・経営者の人生に密着取材し、幼少期から今に至る意思決定と行動選択のプロセスにまつわる情報を収集・蓄積してきた。そのデータならびに同プロセスを通した今後のデータに対し、新潟県内のアントレプレナー学の第一人者である新潟大学経済科学部・伊藤龍史准教授の研究室の定性的比較分析手法を用いることにより、論文・学会発表・教育ツールや教材の開発提供・サービス構築に取り組むという。また、本年度の共同研究では起業家個々に焦点を当てるのに対し、次年度以降を目途に、成長するチーム/組織の傾向、相性など相互関係にまつわる研究も行なっていく。

アントレプレナーシップは自己の生き方を社会と等身大でぶつける姿勢である側面を持つとイードアは考え、子供の教育現場での活用も目指している。学習指導要領の改定により、2022年度より高等学校で本格的に始まる「総合的な探究の時間」などで、子供達が未来を考える際の探求のきっかけに使われるものとして提供することを目指す。子供達が学校に依存せず、社会に出て何をしたいのか自分自身でしっかりと考えるための方法論でもあるのだという。

共同研究を通じて生まれる予定の活動として、
・「どのような経験をすれば起業家になれるのか?」のデータを元に伊藤研究室ベンチャリング・ラボなどにて起業家育成の講座を提供。※地域別でどのようなもの、ことがあれば起業家やイノベーターが生まれやすいか?など、「地域別モデルの抽出」を含む
・企業内に挑戦者を生むためのナレッジ、モデルを用いた研修サービスの提供
・事業承継時の「後継ぎ」をイノベーターへと成長応援するためのプログラムの開発・提供
・子供が自分の「やりたいこと」に出会うための思考の整理方法、体験を提供
などが現在挙げられているが、起業家・経営者向け、大手企業向け、後継者向けなどと幅広い活動が見込まれる。

共同研究の概要

新潟県においては、企業の休廃業や解散が多いことに加え、開業率も低い。イードアの新潟支社長である石川翔太氏は、「新潟県は開業率が低いという問題があるため、地域社会における開業率を増やしていくことを目指したい。開業率を増やすということだけでなく、起業家が生まれること、新潟を良くしたいという思いを持つ人が増えてほしい。アントレプレナーシップをきっかけに地域の方が生き方を考えたり、自分の仕事・地域に誇りを持つことで地域が盛り上がるなどの影響を及ぼすことができたら」と話した。

また、「新潟県は”人”の魅力があると考えている。しかし魅力があっても人が県外に流出したり、逆に県内にいる人達は外部と交流しようとしないという問題もある。まずは地域ごとの特性・特徴を踏まえた新潟の地域経済圏の活性化であったり地域経済圏の外部との交流の触媒になれたらいいなと私達イードアは考えている」との思いを石川氏は語った。

【関連リンク】
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新潟大学:

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